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症例紹介

症例100 歯痛(顔面痛・三叉神経痛)に清上蠲痛湯が奏功した症例

相談内容

相談者:40代 女性
相談内容:歯が痛む

2日ほど前から、右側の歯が痛み出しました。

歯が浮いたような感じですが、歯茎が腫れているわけでもなく、見た目には違和感はありません。

歯医者の予約をしたのですが、3日後でしたのでそれまでの応急措置として漢方薬を使えればと思い来局しました。

ここのところ気温差で冷えたり、私生活で疲れもたまっていたこともあるかもしれません。

温めたり冷やしたりしても特に変化はなく、なんとなく神経痛のような痛みが続いています。

食事をしても、痛みに変化はありません。

処方選択

歯に痛みを覚えた場合、歯医者に行っていただくのが先決です。

仮に漢方薬で痛みを抑えることができても、虫歯などの歯の異常が治っているわけではありません。

痛みが引いたことで歯医者に行かず、虫歯などの症状が悪化してしまうこともあります。

今回は歯医者に行くまでのつなぎとして、漢方薬を使ってみたいとのご相談でした。

聞いている限りでは、歯の異常というよりも歯の周囲の神経痛のような痛みに思えます。

症状が出始めて2日という短さと、寒暖差(特に冷え)でやられたことを考慮して、温めて痛みを和らげる漢方薬が適切だと考えました。

さらに、身体も疲れていて弱っていることも考慮すると、筆頭に上がるのが「麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)」になります。

麻黄附子細辛湯に含まれる、細辛(サイシン)の止痛作用が神経痛の改善が期待できます。

しかし、困ったことにこの方は「麻黄(マオウ)」を含む漢方薬を服用すると体調が悪くなってしまうので、麻黄附子細辛湯の使用を断念せざるおえません。

そこで、細辛が配合されていて、顔面や頭部の神経痛に使える漢方薬を使うことにしました。

処方)清上蠲痛湯(セイジョウケンツウトウ)

清上蠲痛湯は名前の通り、清上は「上を清す」で「頭部の炎症を鎮める」という意味で、蠲痛は「痛みを除く」という意味です。

これにより、頑固な頭痛や顔面の神経痛に思わぬ効果を発揮してくれます。

3日分お渡ししたところ、すぐに効果を発揮して、1日で痛みがなくなってしまいました。

そのため、歯医者さんに行く頃にはすっかり痛みがなくなっていましたが、念の為受診したところ特に異常もなく事なきを得ました。

まとめ

今回は、本来使いたい漢方薬が諸事情により使えない場合、次なる一手が考えられるかどうかを試された症例でした。

おそらく軽度の三叉神経痛であったのかと思いますが、来局された時には神経痛の初期であったのですぐに改善が見られました。

歯の異常も認められなかったので、よかったです。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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