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症例紹介

症例12 寒暖差の鼻水

寒さに敏感な人がいます。

手足の冷えに出る方もいれば、

お腹が痛くなってしまう人もいます。

寒暖差で鼻水が出てしまうのは、

血管の反応性にあります。

寒くなると血管は収縮して、

暖かくなると血管は拡張します。

血管の反応性が鈍ると、

血管がの収縮がうまく働かずに、

拡張した状態の血管から、水がもれてきてしまい

鼻水となってしまいます。

予防としては寒暖差をつけすぎないように

温かい服装を心がけるのと、

体温を上げるための筋トレ等を行うことです。

ですが、体調が万全でなかったり、

生活習慣が乱れていたりすると、

症状が強く出てしまうこともありますので、

その場合はゆっくりと休むことも必要です。

また、身体を温める働きのある漢方薬も効果的です。


症例 40代女性

数日前から風邪気味で、調子が悪かったのですが、

風邪には至らず、回復してきました。

ですが、以前からあった寒暖差アレルギーが

強く出てしまいました。

いつもは「小青竜湯」を服用すれば、

すぐに回復していたのですが、

今回は全然よくなりません。

そんな状態で相談に来られました。

いつも来ている方で、エキスの小青竜湯を持たせていたのですが、

今回は効かないということなので、

詳しく話を伺いました。

そうすると、

いつもとは一つ違うことがありました。

それは、「病後の体力低下」です。

風邪には至らなかったのですが、

身体の倦怠感と冷えが強く出ていました。

小青竜湯では効かない理由も納得しました。

小青竜湯は比較的体力がある方に用いますが、

今回のように体力が低下してしまった状態では、

効果は出ないばかり、反って体力を低下させてしまうことにも

なりかねません。

そこで、体力のケアもしながら、

鼻炎症状も抑える「麻黄附子細辛湯」の煎じ薬を

3日分お渡ししました。

3日分で症状は改善して、

鼻水は出なくなりました。


いつも使っている漢方薬が毎回効くとは限らない。

それを教えていただいた症例になります。

やはり一人一人細かくみないと、

最適な漢方薬にはたどり着けないなと実感しました。

急性の症状であればあるほど、

数日で効果を発揮します。

何事も早めの対策を心掛けましょう。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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