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漢方について

ダイエットと漢方薬

「1ヶ月で-1okg」

「運動ナシ、食事制限なしで痩せられます」

ダイエットはいつの時代も人の心を揺さぶります。

「美しくありたい、若々しくいたい、かっこよく見られたい」

それは人が持っている根源的な欲求なのでしょう。

そうすると、さも太っている人が多いように思うのですが、

町中を歩いていても、

明らかに肥満だという人はそれほどいないような気がします。

実際に『厚生労働省「国民健康・栄養調査結果の概要」/平成29年>』

によると、20歳以上の人の肥満の割合は男性30.7%、女性21.9%

20代の女性に限れば5.7%に過ぎません。

*肥満:BMI≧25

そうなると、太っているというのはかなり主観的な意味合い

が強いようです。

ですので、ただ闇雲にみんなが痩せているからとか、

有名人が痩せたからといった理由で痩せようと思うのは、

待ったをかけるべきです。

大切なのは痩せた先にどんな未来が待っているのか、

そのために必要な努力と時間、場合によっては資金が必要なのか、

などを考えることです。

それを踏まえて、

それでも痩せたい、ダイエットしたい方は

ダイエット方法を探して、

「漢方薬が痩せるのでは?」という

結論にたどり着いたとします。

漢方薬は体にやさしそうで、

副作用もなさそうだから、

試してみたいと思うかもしれませんが、

私はオススメしません。

もちろん人によっては結果的に痩せた方もいるかもしれませんが、

それはあくまでもオマケです。

漢方薬といえども、

人によっては体に害を及ぼす可能性も大いにあります。

以前患者様でダイエット用で漢方薬を

処方してもらっていた方がいらっしゃいました。

その方は、

「これを飲むと食欲がなくなって、

 食べなくても平気になります」

と仰っていました。

その処方を見せてもらうと

ものすごい量の発汗剤と下剤が含まれていました。

これだけ飲めば、それは食欲もなくなるだろうに・・・

なんのために痩せるのか。

ただただ細くなりたいのか、

健康的に引き締まった体にしたいのか、

多くの方は後者だと思います。

健康を手に入れるのに、

即効性のあるものはありません。

みんな食生活、運動、睡眠が大事なのはわかっているのです。

でも、面倒臭い、誘惑に負けてしまう・・・

そんなこんなで、インスタントに手に入る情報や方法論に

目を向けてしまいます。

「ローマは1日にして成らず」

本当に自分に必要なのはダイエットなのでしょうか。

それとも健康的な体なのでしょうか。

自分と向き合ってみるのも大切なことです。

年末年始、一度時間を作って考えてみてください、

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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