症例紹介

症例6 小児の鼻水を伴う風邪に麻黄湯

今年もいよいよ風邪、インフルエンザの季節が到来しましたね。

特にお子様は免疫力が不十分なこと、

体調が悪くてもなかなかうまく表現できないこと、

などなどの理由で風邪を引きやすいとされます。

大正製薬が実施したアンケートによると

20-40代のお母様方の冬のお悩みの第一位は

「こどもの風邪」という結果が出たこともあるようです。

仕事を途中でき切り上げて、

保育園に迎えに行ったり、

週末出かける予定だったのが、

キャンセルになったりと、

愛する我が子ではあるものの、

急な予定変更で調子が崩されてしまうのが、

お母さんにとってのお悩みに繋がっているようです。

そうならないためには風邪の予防が大切です。

今更いうまでもないですが、

手洗いやうがい、十分な睡眠と食事は必須です。

ですが、もっと大事なのは

風邪の前兆をいち早く察知して

対策を講じることです。

風邪を引いてから風邪薬を服用したところで、

対症療法にすぎません。

早ければ1日で治りますが、

長引けば1週間付き添わないといけない場合も出てきてしまいます。

さらに、風邪を引いたからと行って

病院に行っても、

周りは風邪を引いたお子様がたくさん。

風邪をもらいに行くようなものですし、

待ち時間も掛かってしまいます。

そんな時には漢方薬も有効な手段として使えます。

なぜなら、漢方薬は風邪の治療のみならず、

風邪を引きそうな前兆の段階で使用することで、

本格的な風邪になる前にブロックすることができるからです。

ですので、風邪の引き始めをいち早く見抜いて、

対策をしましょう。

以下に症例を載せます。


4歳 男児

いつも風邪を引く前に鼻水と鼻詰まりが生じる。

そうすると数日後に風邪を引いてしまい、鼻水と咳が止まらなくなります。

治るのに1-2週間かかってしまうので、なんとか対策したいと思い

漢方薬を飲ませてみようと思いました。

この時、お子様は鼻水がズルズルと出始めた段階で、

これから風邪になりそうだという時でした。

そこで、煎じ薬で麻黄湯(麻黄・桂皮・杏仁・甘草)

2日分をお出ししました。

煎じ方と飲ませ方をお教えして服用したところ、

2日分で鼻水がピタッと治り、

ズルズルと引きずった風邪にならずに済みました。

お母さんも今まで手こずっていた風邪が短期間で治り、

とても喜んでいらっしゃいました。

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このように風邪の前兆の段階で漢方薬を服用することで、

治療することができました。

だいたい、なんども経験するうちに自身の子供の

風邪のパターンも見えてきます。

症例のように鼻水が出始めたら風邪を引くなとか

鼻詰まりがし始めたら怪しいなとか

せきをゴホゴホし始めたら風邪かな・・・

このように風邪の前兆を見逃さずに対処することが、

早めに治すコツです。

漢方薬は味が独特ですので、

こどもには飲ませずらいこともありますが、

以外にもまずいとも言わずに飲んでくれることは多いです。

風邪の際には漢方薬も選択肢にあることを知っていただき、

お近くの漢方薬局に相談してみてください。

当店は当日のご連絡でもなるべく対応できるようにしています。

早めの対策で風邪を治療しましょう。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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