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症例97 寝汗/盗汗に漢方薬が奏功した症例

相談内容

相談者:40代前半 女性
相談内容:寝汗で目が覚めてしまい、熟睡できないのをなんとかして欲しい

2ヶ月ほど前(11月頃)から毎日、寝ている時に汗が出るようになりました。

汗をかくのは決まって上半身で、下半身は汗が出ません。

汗が出ると身体が冷えてしまい、目が覚めてしまいます。

夜中は汗が出るのですが、日中は汗は出ません。

あまりにも改善しないので、漢方薬を試してみたいと思い来局しました。

処方選択

来局されたには1月頃で、寝汗が始まったのは昨年の11月頃になります。

正常な場合、よっぽど室内の温度を上げない限りこの季節で汗が出ることはありません。

東洋医学では汗の出方によって呼び方を変えます。

自汗:日中に時々汗が出て、何かについて汗がひどくなる
寝汗・盗汗(トウカン):睡眠中に汗が出て、目が覚めると止まる

季節としては決して汗が出るような暑い季節ではないので、この場合の汗は外的要因というよりは身体の内に原因があると考えられます。

寝汗(盗汗)について初めて言及したのは『金匱要略・水気病脈証并治』です。

「食し已(オワ)って汗出(イ)で、又た常に暮に盗汗出づる者は、此れ労気なり」

『金匱要略・水気病脈証并治』

これより解るのは、盗汗(寝汗)が生じるのは「労気」つまり身体の虚損(虚労)によると述べています。

実際、この方は小柄で胃腸が虚弱、疲れやすいなどの虚証の特徴を兼ね備えており、日々忙しく過ごしていることがうかがえました。

身体が疲れた状態が続くと、体重が落ちたりして陰虚と呼ばれる状態におちいり、身体の熱を抑えられなくなり、汗として熱を放出することが起きます。

そこで、身体の陰陽のバランスを整える漢方薬をお出ししました。

2週間ほど服用したところ寝汗も引いて、少しずつ身体も元気がつくようになりました。

3ヶ月ほど服用したところで、状態も安定したので服用を終えました。

まとめ

寝汗単体でご相談にいらっしゃることは珍しいですが、症状がひどい場合は漢方薬を用いることは効果的な場合があります。

同じ寝汗とはいえ今回のケースとは違う病態の場合もありますので、適宜状態に合わせた漢方薬を用いることが大切です。

寝汗や不眠でお困りの方は、ぜひ東洋医学専門の医療機関にご相談ください。

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今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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