相談内容
相談者:30代半ば 女性
相談内容:突然にくる胃痛を改善して欲しい
20代後半あたりから、胃もたれをしたり胃の痛みが頻繁に出るようになりました。
どうやら、小麦やニンニクなどを食べると胃もたれや胃痛が出るような気がして、それからは控えるようにしていました。
そうすると、症状はあまり出なくなったのですが、それでも少し食べすぎたり、外食をしないといけない時には相変わらず胃痛が出てきて困っています。
胃痛は激しく、数分間は何もできないくらいで、夜中に目が覚めてしまうこともあります。
この胃痛が出るのが怖くて、大好きな食事も控えていてつらいです。
また腸もあまり状態はよくなく、便秘がちで、便秘がひどくなると肌荒れしてしまいます。
コーヒーや濃いお茶などを飲むと、腸に刺激になってか大便がよく出ることがあります。
手足やお腹は冷えやすいです。
以前のように好きなものを好きなだけとはいかなくても、せめてもう少し食事の制限なく生活ができればと思っています。
処方選択
病院での検査をしたにも関わらず、異常が見つからないのに、慢性的な胃の不調が生じるものを「機能性ディスペプシア」といいます。
今回のケースは、まさに機能性ディスペプシアの典型です。
特に異常は見当たらないのに、胃痛や胃もたれを慢性的に生じているため、このような場合は東洋医学でアプローチする方が解決の糸口を見つけやすいと感じています。
患者様本人が問題としているのは「胃痛」や「胃もたれ」ですが、私はむしろ腸に問題があるのではないかと推論しました。
慢性化した便秘の場合、本人はその状況に慣れてしまっており、お腹が張ったりはするものの、それが常となっているため、そこまで意識することがなくなっていることがあります。
ですが、数日間、大便が出ないこともあり、大便が出ても硬いうさぎのべんのようなコロコロとした大便であることが多いのは、腸内環境が不安定であることを如実に表しています。
大便が通じなければ、当然ながら上部にある胃の通りも悪くなるため、胃への負担も大きくなります。
そこで、本来の解決すべき部位は「胃」であるものの、便通をつけることで、胃〜腸〜肛門にいたるまでのよどみを解消でき、胃への負担を軽減できると考えました。
そこで、腸の蠕動運動を整えて、便通をつける漢方薬をお渡ししました。
処方:桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカダイオウトウ)
桂枝加芍薬大黄湯は桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)に大黄を加えたもので、太陰病(タイインビョウ)に該当し、胃腸の冷えや虚弱により、お腹が張ったり痛んだりするものに用いる漢方薬です。
服用を開始してから1週間で、毎日排便がつくようになり、体が軽くなる感覚が生じてきました。
それから2ヶ月ほど服用して、その間は一度も胃痛もなく、多少食べすぎても問題が生じることはありませんでした。
その後、1日1回で服用して、調子も安定してきたので、服用を終えました。
まとめ
今回は、実際の不調がある部位ではなく他の部位にアプローチすることで、問題を解決する方法をご紹介しました。
東洋医学の基本は、しっかり食べられること、そして排泄がスムーズに行われていることがとても大切になります。
今後も局所ばかりに目を向けずに、もっと広い視野で患者様全体の状態から病態を考えていきたいです。
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