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症例紹介

症例115 食後と夜中から明け方の胃痛に六君子湯が奏功した症例

相談内容

相談者:70代半ば 女性
相談内容:食後および夜中〜明け方に起きる胃痛を改善して欲しい

昔から胃腸は弱かったのですが、数年前から胃が痛くなる頻度が増えてきました。

昨年6月に、胃と大腸の内視鏡検査をしましたが、特に異常はないとのことでした。

胃が痛くなりやすいのは、食後と夜中から明け方にかけてです。

胃痛は激しくなく、シクシクとした弱い鈍痛が長く続きます。

食事は1日3食とれていますが、もともと食は細く、多くは食べられません。

少しでも食べ過ぎると、すぐに胃がもたれてしまいます。

逆流性食道炎があり、胸焼けをすることがあります。

冷たいものを食べると胃が悪くなるので、あまりとらないようにしています。

風邪は引きやすいですが、葛根湯を飲むと胃が痛くなるので飲めません。

処方選択

西洋医学では原因不明の胃痛ということで、機能性ディスペプシアに該当します。

胃痛の特徴が、食後と夜中〜明け方に生じていることから、逆流性食道炎によるものが大きいような気がします。

そのため、まずは逆流性食道炎を抑えるべく、胃気の上逆を緩和する漢方薬であることを考慮しなければなりません。

そして、次に注目すべきは、胃腸の弱さです。

「食が細く」「胃もたれしやすい」「葛根湯で胃痛になってしまう」といったことから、虚証に対応できる漢方薬であることが必要です。

これらのことを勘案して、漢方薬を選択しました。

処方)六君子湯(リックンシトウ)

2週間服用したところ、胃痛が消失しました。

その後も服用を続け、半年ほど服用したところで服用を終えました。

まとめ

今回の症例は、六君子湯の典型例のようなものでした。

このような基本的な病態こそ、日頃の自分のカウンセリングの襟を正してくれます。

基本に忠実に、これからも患者さんに向き合っていきたいところです。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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