10/22(木)は所用により休業と致します。

症例紹介

症例113 急性副鼻腔炎に葛根湯加辛夷川芎が奏功した症例

相談内容

相談者:30代半ば 女性
相談内容:大量の鼻水と後鼻漏、鼻づまりを改善して欲しい

数日前から、急に大量の鼻水が出るようになってきました。

鼻水は透明ですが、少し粘っこい感じがします。

鼻をかみすぎてしまい、たまに鼻血が出ることがあります。

また、1日に数回、黄色〜オレンジ色の鼻水がドバッと出てきます。

やや鼻づまり感はあって、今までの経験上、このままでは副鼻腔炎になりそうな気がします。

処方選択

ここ最近の急激な気温変化に寒暖差アレルギーによるものなのかはわかりませんが、症状を見据えて処方を決めていく必要があります。

鼻水が透明であることから、寒熱でいえば「寒証」です。

また、鼻水が大量であることから、「心下に水気あり」により体にたまっている水飲が鼻を介してふきだしているものと考えられます。

しかし、単純な寒証とはいえず、「鼻水が粘性を帯びている」こと、「黄色〜オレンジ色」のものが出ることから、寒証→熱証への移行を呈している状態です。

そこで、この移り変わりの状態に対処するために、「寒証+水気」に小青竜湯、「熱証」に「桔梗石膏」を使うことにします。

処方1)小青竜湯(ショウセイリュウトウ)+桔梗石膏(キキョウセッコウ)×7日分

7日分服用したところ、大量の鼻水はなくなりました。

しかし、鼻水が化膿を帯びてきて、黄色〜オレンジ色の鼻水が以前より増えたようです。

鼻づまりもあり、副鼻腔炎気味の目の周りの痛みも出てきました。

そこで、これはちょっと処方選択を間違えてしまったなと思いました。

小青竜湯と桔梗石膏の組み合わせでは、変化しつつある鼻炎症状の対応が追いつかなったのです。

そこで、副鼻腔炎による漢方薬を使うことにしました。

処方2)葛根湯加辛夷川芎(カッコントウカシンイセンキュウ)+排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)×7日分

7日分を服用を終えたところで、鼻水、頭痛、鼻づまりは消失したため、治療を終えました。

考察

今回のような鼻炎や風邪などの急性期は、症状の変化が早く、数日の間ですぐに状態が変わっていってしまいます。

このような場合は、現在の状況だけを考えて処方を選択するのではなく、この先どうなるかを見据えて一手二手先を推測して、漢方薬を選択しておく必要があります。

もしくは、もっと短い日数(3日)で様子を見て、変化に素早く対応していく必要があると、反省しました。

急性期症状は、初期の対応が非常に大事になっていきます。

初期の対応を間違えると、治療を長引かせてしまい、さらに治療困難になる場合があります。

この反省を活かして、次回からは短い日数、もしくは病気の進行状況を見据えて漢方薬を使っていきたいと思います。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

関連記事一覧

Comment

There are no comment yet.

最近の記事
  1. 症例113 急性副鼻腔炎に葛根湯加辛夷川芎が奏功した症例

  2. 症例112 再発性バルトリン腺膿瘍に竜胆瀉肝湯合腸癰湯が奏功した症例

  3. 症例111 機能性ディスペプシア(FD)による胃痛に漢方薬が奏功した症例

おすすめ記事
目次