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症例紹介

症例88 月経痛と頭痛に漢方薬が奏功した症例

相談者:30代前半 女性
相談内容:月経痛を改善して欲しい

10代の頃は大丈夫でしたが、社会人になってから月経痛を感じるようになりました。
月経痛を感じ始めた当初は、月経が始まる直前に痛みが少しでる程度でした。
当時は経口避妊用ピルを使い出したので、痛みを感じずに済んでいました。

数年前にピルの服用をやめてから痛みが増して、特に30歳を過ぎた頃から急激に痛みが増すようになりました。
痛みの期間も月経初日〜月経3日目くらいまで長引いて、月経が始まるのが憂鬱になってきました。

月経周期は28日で安定していますが、月経前に胸が張ることとイライラが強くなります。
また、月経前には肌も荒れてきます。

頭痛もあり、特に月経前に出やすくなります。


月経痛を考える際に一番大事になるのが月経状態です。

月経周期やPMSの状況が、東洋医学的な病態を見出すのに大切になってきます。

今回の場合は月経前の症状として、「頭痛、肌荒れ、イライラや胸の張り」があることがポイントとなります。

これらは、気滞(キタイ)と呼ばれる気の巡りの異常によるものだと考えられます。

気滞とは、現代医学的に言えば自律神経やホルモンバランスの乱れに近い概念で、情緒不安定になったり、痛みや張りの症状が出やすくなるのが特徴です。

ですので、気の巡りを改善する漢方薬をお渡ししました。

処方:逍遥散(ショウヨウサン)+α

逍遥散は気滞を改善する作用と、月経で消費する血を補う作用があり、月経にまつわるトラブルに多く用いられます。

逍遥散だけでは頭痛や月経痛に対する作用が弱いため、血流を促す作用のある漢方薬を追加でお渡ししました。

服用を開始して1ヶ月後に月経がきましたが、鎮痛剤を使うことなく過ごすことができたようです。
漢方薬を服用してから頭痛はあっても軽度で、こちらも鎮痛剤を服用することがありませんでした。

調子も安定していたので、4ヶ月ほど服用をして服用を終えました。


月経痛のトラブルはこの症例のように、主でなくても不妊治療や月経不順など他の症状の改善を望んでいる方でも、抱えている場合が多いです。

月経痛が強くなるほど日常生活に支障を来してしまうので、早期に対策を取ることが大切です。

月経痛の治療のために低用量ピルを服用するのも良いのですが、妊娠を希望する場合は服用ができなくなってしまいます。

月経の状態を整えることによって、日々の生活を快適にするだけでなく不妊治療にも役立てられますので、月経痛を抱えている方は一度、東洋医学専門の医療機関にご相談ください。

「月経痛 / 月経困難症の漢方薬治療」について詳しくはこちらをご覧ください。

コラム「症例81 月経不順と月経痛に漢方薬が奏功した症例」

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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