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症例紹介

症例58 気象病の頭痛・倦怠感・めまい

20代前半 女性
相談内容:気象病の頭痛と倦怠感とめまい

小学生5年生頃から天気が悪くなると頭痛とだるさ、めまいがするようになりました。
また、眠気も強くて食後は眠くて仕方がないので、昼食後は仕事に身が入らず困っています。

偏頭痛の頻度は少なく半年に一度程ですが、週の半分くらいは緊張型の頭痛があります。

最近はめまいがあり、歩いているとふらふらしてしまいます。
もともと低血圧で、朝が苦手で毎日起床するのも困難です。

処方選択

気象病による体調不良には、体質的に水分を溜め込みやすい痰飲があるケースが多いです。
とりわけ、筋肉量の少ない女性に起こりやすいです。

この方の場合、一番注目しなければならないことは「食後の眠気」です。
小柄で食が細いので、胃腸消化吸収にエネルギーを使い果たしてしまい、頭に回すだけのエネルギーが枯渇してしまっている状態です。

さらに、消化吸収が不十分になれば消化しきれなかった食べ物の残りが痰飲となってしまいます。
この痰飲が溜まることで、気象病が発症していると考えられます。

*気象病について、詳しくは「気象病の漢方薬治療」をご覧ください。

ですので、漢方薬では胃腸の働きを促進して消化を助けることで、余計なエネルギーを節約し眠気を抑え、なおかつ気象病の要因となる痰飲を除去する必要があります。

処方:香砂六君子湯

7日間の服用で、眠気・頭痛が軽減
21日間の服用でさらに軽減
その後、パソコン作業が過多になり頭痛が一時増加
処方を一部変更することで、症状が安定しました。

考察・まとめ

この頃は気候の変動が大きくて、体調不良になる方が増えています。
食生活や睡眠、運動習慣の乱れが根本にあるのですが、なかなか生活習慣を一気に変えるのは困難です。

ですので、漢方薬を併用しながら体調を整えつつ、生活習慣も少しずつ改めていけると快適な生活に近づけるかと思います。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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