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症例紹介

症例103 腰椎椎間板ヘルニアによる痛みに漢方薬が奏功した症例

相談内容

相談者:40代後半 男性
相談内容:足先の痛みや痺れ、重だるさを改善して欲しい

3年半ほど前に、突然、腰に激痛が走りました。

その痛みは左脚にまで波及し、痛みが強くて仕方ありませんでした。

病院に行ったところ、初めは「坐骨神経痛」、その後「腰椎椎間板ヘルニア」と診断されました。

痛む部位は左側のお尻下〜太ももの裏側、痺れるのは左足の指先、さらに足全体が重だるい感じです。

整骨院に通い始めてから痛みは少しずつ軽減しましたが、数日前に娘をかついで坂道を歩いていたら痛みが再発してしまいました。

座っていれば問題ないのですが、歩き始めるとすぐに痛みが悪化して、背中を後ろに反らすと痛みが増します。

左脚は全体に冷えている感じがして、湯船につかると温まり、痛みを和らぎます。

夜になると左脚はつりやすく、睡眠も妨げられます。

処方選択

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の骨と骨をつなぐクッションである「椎間板」の組織が壊れ、内容物が外に飛び出してしまう病気です。

押し出された椎間板の内容物が、背骨の神経の通り道を圧迫するため腰痛や足のしびれなどが引き起こされます。

西洋医学の治療では、内服薬で痛みを緩和させたり、それでも治らな時は神経ブロックの注射をしたりします。

排尿障害や排便障害にまで及ぶ場合は、手術を行うこともあります。

東洋医学では、痛みを起こすメカニズムについて、気血水、陰陽といった内的要因と「風・寒・暑・湿・燥・火」の六因(ロクイン)に代表される、外部要因との影響を鑑みて、病態を把握していきます。

そのため、同じ腰椎椎間板ヘルニアだからといっても、個々人によって用いる漢方薬は異なってきます。


今回の場合、痛みや痺れを生じる部位は左側に固定されており、冷えていて温めると緩和することから、陽気(温める作用)が通じていないことがわかります。

また、突発的な痛みや足つりが起きやすいことからも、陰気(血流障害)が通じていないこともわかります。

つまり、陰陽の調和が乱れていることが痛みや痺れの要因となっていると考えられます。

そして、長い間の神経の圧迫により、炎症を生じていることから、炎症を鎮める必要もあります。

これらより、陰陽を整えて炎症を鎮める漢方薬をお出ししました。

1週間の服用で、起床時の痛みがなくなりました。
足指の痺れや重だるさには変化ありません。

2週間の服用で、痛みが出ずに歩ける距離が延びました。
膝やふくらはぎ、太ももの重だるさが軽減しました。
足指の痺れは変化ありません。

1ヶ月の服用で痛みと重だるさはほぼなくなりました、
痺れは少し軽減したようです。

それから数ヶ月服用して、痺れは3割程度軽減したところで、本人の希望で服用を終了しました。

まとめ

ヘルニアはなかなか完治まで至ることは難しい病気ではあります。

しかし、漢方薬を適切に使うことができれば、日常生活の不自由さが幾分か改善することも可能な場合もあります。

今回の場合、あいにく痺れは残ってしまいましたが(長期間服用したら良くなったかもしれませんが・・・)、ご本人が満足されたところでの、服用中止となりました。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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