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症例紹介

症例10 口内炎がすぐに出来てしまう人の漢方薬

口内炎の原因は「食べ過ぎ」・「睡眠不足」・「ストレス」・「噛み合わせが悪い」など、様々あります。
痛みが強いと、食事もつらくなかなか思うように食べられないのでつらいですよね。

今回は口内炎を繰り返してしま人の症例をご紹介します。


相談者:40代 女性

1年ほど前から、パートのお仕事やお子様の受験の事で疲労が蓄積して発症しました。
ちょうどその頃、舌もザラザラし始めて気持ち悪いと思うようになりました。

しばらくすると、口内炎や舌のザラザラ感は改善しますが、すぐに再発してしまい、なかなか改善までいたりません。

食欲には問題なく、毎日美味しく食べられています。
便通も問題なしとのことです。
足は冷えやすく、夏場でも靴下が手放せません。

天候の悪い日には頭痛が出やすくなります。
舌には白い苔がたくさんついていました。


さて、漢方では口内炎をどのように捉えるのでしょうか。

漢方では、口内炎や舌などの口の中の病変は「胃腸(脾胃)」と関連があると考えます。

以前のコラム日中に眠くてだるくなるのは「胃腸のせい」でも、胃腸は病気を診る際に非常に重要な臓器であると解説しました。

このご相談者は、ご自身ではご飯は食べられていると仰っていましたが、食べている量は他の人よりも少ないです。
ですので、全体的なエネルギー量は少ないため、普段から疲れやすい状態が続いています。

身体が疲れた状態が続けば、免疫力が低下したりちょっとした刺激で炎症が起きやすくなります。
そのため、胃の弱りから口内炎が発症してしまいます。

そこで、胃腸を元気づけならが消化吸収を上げる処方をお出ししました。

処方:香砂六君子湯(コウシャリックンシトウ)

3週間程服用したところ、口内炎は改善し再発しなくなりました。
その後も服用を続け、2ヶ月半ほど服用して治療を終えました。


口内炎の治療というと、炎症を抑えるために、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)や黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)などの炎症を抑える漢方薬を使うことが多いです。

ですが、これらの処方の選定には虚実(キョジツ)の鑑別や本や標などを見極める必要があります。
これらを適切に行うことができれば、一過性の口内炎だけでなく再発性の口内炎にも対応することが可能です。

個々の患者様の体質を見極めて漢方薬を処方するので、一筋縄には行かないことも多いですが、その分やりがいも大きいと感じております。

再発性の口内炎では慢性炎症が生じている場合や胃腸の弱りなどが関連していることがあります。
もし、口内炎でお困りの場合は漢方専門の医療機関にご相談ください。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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