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症例紹介

症例95 慢性蕁麻疹に漢方薬が奏功した症例

相談内容

相談者:40代半ば 男性
相談内容:半年以上続く蕁麻疹を改善して欲しい

昨年末に風邪をひいて、それから蕁麻疹が生じるようになりました。
*来局されたのは7月前半です。

初めは全身に蚊に刺されたような赤い膨らみが生じていました。

病院でタリオンを処方されて服用するようになってからは、今は太ももとお尻だけに範囲は狭まりました。

ですが、それ以上は改善しないのと、ずっとタリオンを飲み続けなければならないのが嫌で漢方薬を使ってみようと思いました。

痒みが出るのはほぼ毎日20時〜22時頃で、時間にして30〜40分くらいです。

その間は痒みが強くてたまりません。

疲れている時や睡眠不足の時に蕁麻疹も出やすくなります。

初めは別の漢方薬局にて桂麻各半湯(ケイマカクハントウ)を処方されましたが、あまり効果を感じられませんでした。

処方選択

蕁麻疹は蚊に刺されたような赤みのある膨疹が出現し、同時に痒みを伴います。
最大の特徴は「一過性」であり、数十分から数時間で症状が消えてまた現れます。

この方はまさに蕁麻疹の特徴を兼ね備えており、発症から7ヶ月という長期にわたることから典型的な慢性蕁麻疹といえるかと思います。

蕁麻疹は出たり消えたりと変化が早いことから、東洋医学ではこれを「風邪」の影響と考えます。

最初の漢方薬局で処方された「桂麻各半湯(ケイマカクハントウ)」は風邪を改善する目的として用いることができます。

ですが、桂麻各半湯は「風邪」に「寒邪」をあわせた病態の時に効果を発揮します。

寒邪は冷えであるので、寒冷蕁麻疹のように炎症が弱く赤みが薄い(ピンク色)膨疹であることが条件となります。

今回は赤みが強い蕁麻疹なので、これは寒邪ではなく熱邪(炎症が強いこと)によるものです。

また、蚊に刺されたようなプックラとした盛り上がりは炎症による浮腫を現しており、この浮腫は湿邪(水が溜まっている状態)の影響と判断できます。

したがって、この方の蕁麻疹は「風湿熱」の3つが合わさった病態になります。

そこで、風湿熱を改善する漢方薬をお渡ししました。

*この際、「風・湿・熱」のどれにウエイトがあるかを判断して漢方薬を選択、場合によっては複数の漢方薬を組み合わせてお出しすることもあります。

2週間の服用で、蕁麻疹が1〜2回出ただけで、発症しても軽度でおさまるようになりました。

その後も服用を続け、4ヶ月ほど服用したところで徐々に飲む回数が減っていき、半年ほど続けたところで服用を終えました。

まとめ

皮膚症状は目に見えて状態がわかるため、漢方薬を服用してよくなっているのか悪くなっているのかが、患者さんも私もわかりやすいです。

また、症状を抑え込むのではなく、東洋医学的に原因をあぶりだし改善を試みます。

皮膚症状の範囲が狭ければ外用薬だけで対処することも可能ですが、範囲が広い場合は外用薬では手に負えないこともあります。

その場合は漢方薬の内服も選択肢として考慮していただけると幸いです。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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