「科学は、常に反証できるものである」(哲学者カール・ポパー)
反証可能とは、実験や仮説によって今ある理論が
覆される可能性があることを示しています。
医学は当てずっぽうではなく、
きちんとした理論体系のもと、
治療として用いられています。
なので、反証可能であるが、
それに耐えうるだけの経験や理論をもっていることが、
医療には大切なことです。
西洋医学は常に新しい理論が打ち立てられて、
過去の理論が塗り替えられていきます。
まさに「科学」です。
一方の漢方はどうなのでしょうか。
2,000年以上前に中国で『黄帝内経』が著されて、
そこから中国伝統医学のベースが生まれました。
その後、数々の書籍が出てくるものの、
中国では基本的に『黄帝内経』を基にして、
進化を遂げていきますが、
根っこにあるのは「陰陽五行論」になります。
一方、日本では江戸時代に吉益東洞が「万病一毒説」
という理論を打ち立てて、今まで常識とされていた
中国伝統医学の理論を切り捨てて、
新しい境地を見出そうとします。
まさに吉益東洞は反証可能だと主張したわけです。
江戸〜明治にかけての日本の漢方は、
理論ベースではなく、治療ベースで理論を構築し、
もっとも漢方の進化を遂げてきた時期とも言えます。
今はどうなのか。
そして、今後の漢方はどうなのか。
数々の歴史の上に
自らの臨床を上乗せして、
新しい漢方を更新していくことが、
漢方を科学足らしめるのに大切なのだと思います。
昨日で開業4年目を迎えました。
もっともっと精進せねばと心新たに、
4年目も成長していきます。
<参考書籍>
漢方水先案内(医学書院)
コメント