漢方について

漢方薬を飲んで、調子が悪くなるのは良いこと?

漢方薬を服用したら、

・お腹が緩くなった

・吹き出物ができた

・頭痛するようになった

といった、予期せぬことが起こったことはありませんか。

私も時々そのようなことを患者様から聞くことがあります。

そうすると、患者様の中には、

不安になる方もいれば、

反対に、悪い物が体から出ている感じで良い

という方もいます。

果たして、どちらが正しいのでしょうか?

結論から先に申し上げますと、

「わからない」

です。

身もふたもない答えですが、

それが真実です。

この先を読みたくなくなった方もいるかもしれませんが、

もう少しお付き合いいただけると幸いです。

まずはなぜわからないのか、について説明をして、

次にそのようなことが起こってしまったら、

どうすれば良いのか説明します。

漢方の副作用は良い現れ?悪い現れ?

治療者が治って欲しいと思って、薬を処方しますが、

服用のし始めに、思わぬ別の作用が出てくることがあります。

漢方の世界ではこれを「瞑眩(めんげん)」といいます。

瞑眩は好転反応の前兆だから、

引き続き薬を投与していけば、

次第に症状が治っていく、

というものです。

*瞑眩の解釈にはいろいろあるので、

 ここではサラッと書きました

ただ、これは江戸時代の話であり、

今では西洋医学で

治療しているような病気(感染症など)に、

激しい薬を投与したから生じたものと言えます。

漢方薬にも副作用があるというのが、

近年明らかになってきているので、

先に述べた、瞑眩だけでは

説明もつかなくなってきています。

また、その服反応が本当に漢方薬の影響なのか

というのも判断に困る場合があります。

例えば、漢方薬を服用し始めたタイミングと

時を同じくして、環境や体調の変化、

ストレスのかかる場面に出くわしたとか。

(出張、友達とケンカ、気候の変動、生理・・・)

そうなってくると、もうわけがわからなくなってきます。

なので、服反応が現れた時に

それが、漢方薬という新しい成分を

身体に取り入れたことで、

一時的に身体が反応してしまったのか、

それとも、副作用なのか、

服用した漢方薬が合っていなかったのか、

それとも、別の要因なのか、

瞬時に判断できません。

では、そのような場合は

どう対処すれば良いのでしょうか。

漢方薬の副反応が出た場合の対応

この場合の解決法は、

まずは一度漢方薬の服用をやめてみることです。

なににおいても、

安全性を一番に重視しなければなりません。

原因がわからない以上、

悪化させないために、まずは服用をやめてみる。

服用をやめて、症状がおさまるようであれば、

漢方薬が影響している可能性がでてきます。

そのあとは、可能であればもう一度

その漢方薬を服用して確かめてみたいのですが、

一度副反応が起きたかもしれない漢方薬を

服用するのは気が引けるという方も多いかと思います。

その場合は、可能性のある生薬を排除した

別の漢方薬でアプローチをします。

服用をやめても症状がおさまらない場合は

病院で診てもらう必要があります。

漢方薬が影響しているのか、それとも別の原因なのか

診てもらう必要があります。

このように書くと、読まれている方の中には、

「漢方薬ってこわい」

と思う方もいるかもしれませんが、

ご安心ください。

漢方薬を服用してすぐに、

重度の副作用を起こすことがありません。

きちんと対処すれば、

ひどい症状になる前に対処することができます。

ですので、こわがらなくて大丈夫ですが、

大事なことは、

気になることがありましたら、

すぐに処方してもらった医療機関に

対応を聞いてみることです。

ではでは。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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