相談内容
相談者:18歳 女性
相談内容:手足と背中にできる湿疹を改善して欲しい
半年程前の夏頃から、出始めるようになりました。
赤くポコっとしたものが出て、1週間くらい経過すると茶色になり、そのまま痕が残ります。
そのようなポツポツとした赤いできものが、手足と背中のあちこちにできています。
痒みも強く、集中力が途切れがちになります。
手足の冷えが強いので、風呂に長く浸かりますが、体が温まると痒みが強くなります。
食事、月経、天候などの影響はあまり関係がないように思います。
病院で当帰飲子(トウキインシ)を処方されましたが、効果はありませんでした。
処方選択
基本的に湿疹は皮膚表面での病気と捉えて標治(ヒョウチ)的、つまり、対症療法的にまずは処方を選択していきます。
その際に大事なのが、表面に現れている湿疹の状態をつぶさに観察することです。
湿疹の赤み度合い、滲出性はあるか、化膿していないか、乾燥傾向にあるのか、かさぶたになっているのか・・・・等の特徴を捉えて、それに応じた漢方薬を選択していきます。
したがって、患部以外の全身症状はあえて無視することです。
というのも、病気の原因となっている病態と全身状態が必ずしも一致しないからです。
今回の場合も、湿疹の状態は赤みがあることから「熱証」と判断できますが、一方の手足は冷えを呈しているので、「寒証」になってしまいます。
このような相反する状態が、身体の中では起こりえます。
そうなった時にどうすれば良いのか途方に暮れてしまわないために、まずは皮膚を治していく「標治」に徹することも必要です。
標治をやってうまくいかなければ、本治としての全身状態を絡めて病態を把握していく必要があります。
さて、湿疹の赤み度合いから「熱証」と判断できましたが、さらにあちこちに飛び火するように発症することから、「風証」ともいえます。
そこで、熱証と風証の合わさった「風熱証」による湿疹と判断できます。
風熱を治すべく、荊防敗毒散(ケイボウハイドクサン)をお渡ししました。
2週間服用後、すでにできてしまっている湿疹はそのままですが、新たな発疹はなくなりました。
さらに2週間後も新規の発疹はなく、痒みも落ち着いてきました。
今後は既存の傷跡を消したいとのことでしたが、経済的な理由で服用を終了としました。
まとめ
皮膚病を考える際に、皮膚表面から判断しての標治と全身状態や体質を考慮しての本治とで、判断に迷うことがあります。
初回の時点で判別することができれば、今回のようにスムーズに改善へと導けますが、難渋することも少なくはありません。
経験と勉強を積み重ねて、今後も臨床力を鍛えていきたいです。
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