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症例107 出産前後の円形脱毛症の漢方薬が奏功した症例

ご相談内容

相談者:30代前半 女性
相談内容:円形脱毛症を改善して欲しい

2ヶ月ほど前(出産前)から抜け毛が増えてきて、部分的に髪の毛がなくなり、頭皮が見えるようになりました。

先月、第二子を出産しましたが、徐々に脱毛部が広がってきて、回復が見込めそうもないので、相談に来ました。

妊娠中も仕事をしていたので、第一子の育児との兼ね合いで出産直前まで忙しく身体も疲れていました。

無事に出産でき、産後の回復も早かったので、出産とともに頭皮も改善するかと思っていましたが、そうはいきませんでした。

今はまとまって寝れてはおらず、短い睡眠を繰り返して体を休めています。

脱毛部は赤みや痒みなどはありませんが、フケが出てきます。

ここのところ肌は乾燥しやすく、爪も割れやすいです。

処方選択

円形脱毛症の原因ははっきりとはわかっていませんが、近年は自己免疫疾患が関わっているのではないかと言われています。

東洋医学では、円形脱毛症だからといって特別なことをするわけではなく、しっかりと病態を見極めて処方を選択していくだけです。

今回のケースでは、脱毛部は500円玉大の大きさで1ヶ所だけに留まっていたことから、円形脱毛症の中では軽症に部類されるのかと思われます。

東洋医学では「髪は血の余り」と言われており、体内の血が不足していると、髪に十分な栄養が届けられません。

また、フケも頭皮の乾燥によるところがあるため、やはり血の不足が伺えます。

合わせて爪の脆さ、肌の乾燥も血の不足を裏付けるものです。

出産には母体のエネルギーや血を大量に必要とします。

加えて、出産前の第一子の育児と仕事の両立という心身に大きな負担がかかっていたことが、血をさらに消費させることになってしまったものと思われます。

そこで、漢方薬では身体の陰陽を補って、血を回復させることで、円形脱毛症を改善しようと試みました。

3週間ほど服用したところで、髪の毛がうっすらと生えてくるようになりました。

2ヶ月ほど服用するとさらに髪の毛が伸びてきました。

まとめ

円形脱毛症はなかなか改善が難しい場合もありますが、漢方薬でも対応できる場合もあります。

そもそも、産前産後は母体に大きな負担がかかりますので、本来ならばしっかりと休息をとりながら血を消耗しすぎないように配慮することが必要です。

ですが、現実問題として共働きで育児をしながらでないと、生活も大変な状況であったりします。

これは社会構造の問題でもありますので、個人ではどうすることもできないですが、もっとゆったりと生活できるような社会になってほしいと思います。

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コラム「髪の毛に有効な漢方薬と食養生」

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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