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症例紹介

症例94 25年続いた過敏性腸症候群に漢方薬が奏功した症例

相談内容

相談者:40代前半 女性
相談内容:繰り返す便秘と下痢を改善して欲しい

中学2年生頃から便秘がちになるようになりました。(約25年間の悩み)

部活の上下関係が厳しく、身体が冷える環境に合って発症したのだと思います。

もともとは便秘がちだったのですが、最近は下痢をしたり便秘になったりと不安定です。

また、ガスが多くて胃から腸にかけてキュルキュルと音が鳴るので、仕事中に気になってしまい集中できません。

便をしても残便感もあり、排便してもスッキリとしません。

便秘は生理前になるとなりやすく、ウサギの便のようにコロコロになったり、数日間便が出なくなります。

不思議なのが、仕事がある日は便秘になったり下痢になったりするのに、仕事がない日は便はスッキリ出ることが多いのです。

ヨーグルトやお酒などでもお腹の調子が悪くなるので、食べ物にも注意しています。

過去に使った漢方薬は「加味逍遙散・六君子湯・抑肝散加陳皮半夏・桂枝加大黄湯・桂枝茯苓丸・香蘇散」ですが、いずれも効いた感じはありませんでした。

処方選択

過敏性腸症候群でお悩みの方は多く、当店でも頻繁に相談を受けます。

一般的に便秘なら「下剤」を使い、下痢をしているのであれば「下痢止め」を使うことで、一時的に便通をコントロールすることは可能です。

しかし、便秘や下痢を引き起こしてしまう原因を探らなければ、いつまで経っても根本的な解決には至りません。

まして、今回のケースのように便秘と下痢が混在している場合ではどちらをターゲットにすれば良いかもわからなくなってしまいます。

病名だけに惑わされずに、お一人お一人の病態を把握することが大切です。

そこで、今回の場合をみてみると、「仕事がある日に便通が乱れて、仕事がない日は便通がスッキリです」ということです。

もともと緊張しやすく、仕事のプレッシャーも大きいと感じているようです。

過去に精神科にかかっていたこともあり、今も抗不安薬や睡眠薬も併用していることもあり、精神的な影響が腸の動き(自律神経)にも関連していると考えられます。

したがって、緊張による腸の収縮を緩解し、腸の蠕動運動を整える漢方薬をお出ししました。

処方)四逆散(シギャクサン)

1ヶ月ほど服用したところ、便秘の頻度が軽減し、残便感もなくなりスッキリと便が出るようになりました。

2ヶ月程服用したところ、ガスや腹痛も減ってきて、キュルキュルとした音もあまりしなくなってきました。

3ヶ月服用したところ、大便が毎日出るようになり快便に近づいてきました。

その後も、ストレスのかかり具合によって便通が乱れたり腹痛が出たりしますが、比較的安定して過ごせています。

まとめ

今回は、25年間の腸の不調が数ヶ月で改善できた症例です。

しかし、これは私が優れていたからではなく、事前に数多くの漢方薬を使っていたことが処方選定に役立ちました。

一流の方でしたら先人の治験など気にしないのかもしれませんが、私のような凡才には数多くの情報があった方が処方選定に大いに役立ちます。

そのおかげもあって、最初にお渡しした漢方薬で改善が図れました。

私は医者ではありませんが「後医は名医」という言葉があるように、後からみた人の方が多くの情報を持っているから有利な判断をしやすいのは当然なことです。

今回のケースのように、過敏性腸症候群でお悩みの場合は漢方薬が助けになるかもしれません。

お困りの方はぜひ、お近くの漢方専門の医療機関にご相談してみてください。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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