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漢方について

漢方薬の香りや味について

漢方薬を飲まれたことがある方は

「独特の味がする」だとか、

「まずい」

「苦い」

「飲めたものではない」

といった感想をもたれた方もいるかもしれませんが、

反対に、

「すごく美味しい」

「落ち着く」

といった、ポジティブな感想をいただくこともあります。

西洋薬を普段服用している方は

錠剤で服用することが多く、

「薬とは味がないもの」

という印象が強いかもしれませんが、

漢方薬は錠剤が少なく、

エキス剤や煎じ薬といった、

ダイレクトに味がする服用方法が一般的です。

なんで、変わった味のするものを服用しなければならないのか?

いっそのこと、漢方薬も錠剤を増やして

味もなく、手軽に服用できるようにして欲しい

そんな風に思うかもしれませんね。

*特に味がまずいと思うものはそう思いますね。

そのような方に、今回はなぜ漢方薬の味や香りをマスキングせずに

そのまま服用してもらうのが大切なのかについて、

ご説明します。

ですが、漢方薬には味や香りは不可欠です。

皆さんも好きな香りや好きな食べ物を食べると、

幸せになりますよね。

気分が落ち着いたり、楽しくなったりします。

反対に不快な匂いや苦手な食べ物の場合はどうでしょう。

おそらく、できるだけそこから距離を置いて、

関わらないようにするハズです。

漢方も似たようなところがあります。

人の体は不思議なもので、同じような食べ物を食べても

一方では美味しく感汁のに対して、

他方では美味しさを感じられなかったり、お腹を壊してしまったりします。

もちろん味や香りは人それぞれ好みはあるのですが、

人は体が求めているものに対しては、

すんなりと受け入れる能力があるのだと思います。

とてつもなく苦い漢方薬でも

「全然平気でしたよ。むしろなんだかいい感じがする」

なんて、患者様が仰ったら、

(よし、この処方で間違いがない)

とこちらも自信をもって、処方を継続できます。

反対に甘くて飲み易い漢方薬でも

「なんだか甘ったるくて気持ち悪いです」

と言われたら、

(この処方は間違っているかもしれない)

と思い、再度お体の確認をします。

最近はたくさんの情報が飛び交ったり、

ゆっくりと過ごす時間が少なくなってきて、

五感が鈍くなってきている時代ではないかと感じます。

漢方薬は五感を呼び起こすまでいかなくても、

自分の感覚に目を向けてもらうためにも、

なにが心地良くて、なにが不快なのかを

ご自身の体を通して、向き合ってもらう場でもあります。

そのために、

漢方薬は「味」や「香り」という感覚的な部分も

非常に重視するのです。

ぜひ、皆様も次回漢方薬を服用する時には

味や香りにも目を向けていただいて、

いい感じなのか、不快な感じなのか、

確認してみてください。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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