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血(けつ)を増やすのは食事です

「血の気が多い、血の気が引く」

など、「血」に絡んだ言葉は多くあります。

漢方には血(「けつ」と呼びます)という生理物質があり、

病態を把握したり、治療する際に非常に重要になってきます。

最初にあげた例文のように、

「血の気が多い、血の気が引く」

血が多いと顔が赤くなり、血気盛んになり、

血が少なくなると青ざめて、冷たいイメージが湧いてきます。

つまり、血は温かく(体温)、

そして、エネルギーを持っていると言えましょう。

ということは、血が多い方が活動的で、

エネルギッシュな印象がもたれます。

反対に、血が不足すると、

・生理不順

・筋肉系統の不具合

・むくみ

・冷え症

など、様々な病気になってしまう可能性が出てきます。

血は多ければ多いほど良いわけではありませんが、

漢方でいうところの血の増やし方についてご説明します。

まず押さえておいていただきたいのが、

「漢方薬だけでは血は増えません」

ということです。

漢方に詳しい方は、「えっ?」と思うかもしれませんが、

私はそう思っています。

でも漢方薬には補血剤(血を増やしてくれる生薬)が

あるではないか?

ごもっともです。そのように本には書いてあります。

ですが、漢方薬では血は増やせません。(2回目)

では、補血剤と言われる生薬(当帰、地黄など)は

なにをしているんだ?と言う話になるのですが、

漢方薬はあくまでも、

・血を温めて血流を改善すること

・血を作るお手伝いをしていること

になります。

血の源は「食事」です。

食事をしなければ、血は増えていきません。

漢方薬が血を増やすのであれば、

食事など不要で、漢方薬だけ服用していれば、

どんどん血が増えていくことになってしまいますが、

漢方薬では血は増えません。(3回目)→しつこい

それでは、タンパク質を含んだ食事をきっちりと摂っていれば

大丈夫なのかと言うと、そうでもありません。

血が増えても巡らなければ、必要な場所(子宮や筋肉など)に

届きません。

次は血を巡らすために、体を冷やさないようにしたり、

運動をする事が大切になってきます。

そうです。当たり前に健康に良いことをする事が

最大の近道なのです。

ここまで自力で行っても、うまく行かない場合に

漢方薬が効果を発揮してくれます。

もちろん最初から全部併用しても構いません。

ですが、漢方薬だけ服用して、極度のダイエットや

全く運動しない生活を送っていても、

付け焼き刃にすぎず、ずっと漢方薬を服用し続けなければいけません。

ぜひ、当たり前に正しいと言われていることを

実践してみてください。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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