漢方について

漢方薬は種類が少ない方が良い

近年はミニマリストや断捨離

という言葉に表されるように、

物の数を減らすことで、

物→心の豊かさを求めるようになってきました。

かくいう私もものはあまり持ちたくない方で、

漢方の書籍や本以外はあまり持たないようにしています。

物を増やすことのデメリットとしては、

選択肢が増えてしまい、

選択・決定に時間が掛かってしまうのと、

思考が分散してしまい、自分の軸がブレてしまうことです。

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先日、通りがかりの中高年の男性がお店に入ってきました。

その方が、今服用している薬を見て欲しいというので、

拝見したところ、

15種類くらいの薬を服用していました。

そのうち漢方薬は3種類でした。

服用する薬が多いので、

「大変ではないですか」

と伺うと、

その男性は

「胃腸強いから平気。

 たくさん飲めば効くだろうし」

と返答しました。

当店にいらっしゃる患者様は

できるだけ薬を減らしたい、

薬を服用せずにいられる身体にしたいという

思いの方々ばかりでしたので、

珍しいなと思いました。

服用している3種類の漢方薬を拝見すると、

各々の症状に対して、処方されているようでした。

イマイチ効いている感じではないようで、

どうしたものかとの相談でしたが、

「3ヶ月くらい服用して、効果を感じなければ、

 効かない可能性が高いですよ」

とお答えしました。

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結局、この方は説明だけ聴いて

お帰りになられました。

ただ私は、

「たくさん薬を服用すれば、効くだろう」

という言葉に引っかかりました。

漢方薬に携わっている身として思うのは、

(漢方薬に関していえば)処方の数が増えれば増える程、

効果はマイルドになってしまい、

結果的にどの症状に対しても

中途半端になってしまう可能性が出てきてしまいます。

また、患者様の病気(症状)のみの目を向けてしまい、

根本的な患者様の病気から、

目を背けてしまっているのではないかと

考えたりします。

ついついこっちの症状が気になる、

でもこっちの症状もあるしな〜

と思ってしまうと、

足し算の発想になってしまい、

処方の数が増えてしまいブレてしまいます。

数を減らすということは、

軸を定めること、

病気の本質はどこにあるのだろうかと

見定めることにほかなりません。

腕がいい漢方家ほど、

余計な薬は出しません。

少ない処方でズバッと効かせることができます。

また、漢方処方の数が少なくなれば、

服用する患者様の負担も軽減します。

煎じ薬の場合は、たくさんの生薬を入れるほど、

味が複雑になって、飲みづらくなります。

飲みやすさの点からも

処方の数は限定すべきです。

その域に達するのは究極ですが、

これからも精進していきたいと

思ったエピソードでした。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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