「めまいには水分をたくさんとった方が良いと聞いたので、1日2Lの水をとるようにしています。」
このように仰る患者様はとても多いように思います。
めまいの原因の中には、
耳のリンパ液の異常によって生じるケースがあります。
そのため、水分をたくさん摂ることで、
水分代謝が改善されて、めまいが治るというメカニズムです。
水分代謝を改善すること自体は大賛成なのですが、問題なのは
「水分をたくさん摂れば、水分代謝は改善されるのか」
ということです。
確かに水分をたくさんとれば、
お手洗いが近くはなるのですが、
だからと言って、水分代謝が改善されたとは言い難いです。
たとえば、このようなケースがあります。
よくデスクワークしている女性の方から、
「夕方になると脚がパンパンにむくんで、困っています」
と相談されます。
よくよく聞いてみると、
コーヒーを1日3〜4杯、水もしっかり1L、
それ以外にもお茶を飲んだり、
夜にはお酒を飲んだりしています。
これらの水分を合計すると、
1日2Lはゆうに超えた水分を摂取しているわけです。
もし、水分をたくさん摂れば
水分代謝が改善されるのであれば、
むしろ、むくみは解消されるはずですよね。
ですが、実際には水分の代謝が追いつかず、
皮膚の下に水をため込み停滞してしまうことで、
むくみを生じています。
これは単に水分の過剰摂取と言えます。
なので、全員一律に「水を1日2L摂取する」というのは
誤りだと言えます。
ではどれだけの水分を摂取すれば良いのでしょうか。
目安になるのは次の2つです。
①身体を動かす頻度
②体質
順番に説明します。
①身体を動かす頻度
体内の水というのは体を動かすことによって、
全身を巡っていきます。
体を動かすと血流がよくなるというのと一緒です。
水は血液と一緒なのです。
ですので、「水分摂取量は身体をどれだけ動かすか」
に左右されるわけです。
たくさん水分を摂るということは、
その分だけ身体を動かす頻度、強度も
増やす必要があります。
水分摂取と身体を動かす頻度はセットで
考えていただけると良いかと思います。
②体質
次は体質と水分代謝の関係性です。
人は大きく分けると水をたくさん必要な人と
そこまで必要でない人に分けることができます。
暑がりですぐに汗をかいてしまうような人、
いわゆる代謝が良い人です。
このようなタイプの方はすぐに水を消費してしまうので、
こまめに水分摂取をした方が、
むしろ調子はよくなります。
一方の水分をあまり必要としない方、
代謝が悪く、冷え易くむくみやすく、運動量が乏しいタイプ
このような方は過剰な水分摂取は逆効果になります。
以上のように、
水分摂取量は活動量と元々の体質によります。
理想は水分を十分にとって、運動を頻繁に行うことですが、
なかなか運動強度を増やせない方は、
まずは水分を過剰にとっていないかをチェックしてみてください。
チェック方法は2つ
・夕方になると脚がパンパンにむくむ
・舌のフチにギザギザとした歯形がついていないか
これらをチェックしてもらうとともに、
無理しない程度に運動も取り入れると良いでしょう。
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