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治療について

複数の症状がある時の漢方薬治療 その2

漢方治療をお求めるになる方は、

治したい症状や病気が一つとは限らない場合があります。

花粉症があって、胃腸も弱くて、肌荒れしやすい、

生理も乱れていて・・・

たくさんのお悩みを抱えて、

とてもツライですし、

早く全部治したい気持ちになりますよね。

病院の場合はたいてい

花粉症には花粉症の薬、

肌荒れには肌荒れの薬、

胃腸には胃腸の薬・・・

といったように、

症状に対して薬を使います。

とてもわかりやすい対応なので、

あとは患者様がしっかりと

服用していただければ、

薬の効き目がわかってきます。

一方の漢方薬ではどのようの治療をしていくのか

という話になります。

とここまで書いて、

そういえば、これってどっかで書いたような気がするな。

と思ったら、

以前に書いてました。

複数病理ある漢方治療について

前回の記事を簡単にまとめてしまうと、

複数の症状があっても、

一気に治療せずに、

むしろ、一つずつ治療をした方が、

結果的に治りも早くなるよ、

ということでした。

今回はちょっと角度を変えて、

治療について述べてみます。

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先日、こんな患者様がいらっしゃいました。

30代 女性

2週間ほど前から、咳喘息になってしまいました。

西洋の薬を服用するも、胃腸がやられてしまって、

服用することができません。

みぞおち〜下腹部にかけて、張って痛み、

空腹時になるとしんどいです。

こんな感じです。

この患者様の場合は

喘息(肺)と胃痛(胃)

という二つの症状があります。

先ほどの漢方治療の原則で考えると、

・喘息→胃の治療

・胃→喘息の治療

という風に段階を経て治療に取り掛かるのが、

セオリーです。

実際に私も、

まずは喘息の治療を初めて、

そのあと胃の治療に取り掛かりました。

しかし、思うように結果が出ません。

今度は逆にして、胃をメインにした治療に

切り替えました。

これもスッキリとうまく効いている気がしません。

そうなってくると、

前回のセオリーが破綻します。

うまくいかない時は、セオリーを疑ってみることが

大切です。

「状況に応じては一緒に治療することも必要」

という考えも出てきます。

そして、次は胃と肺の両方に

効果的な漢方薬を用いることにしました。

その後の経過はまだわからないので、

これが正しい選択なのか不明ですが、

うまくいかない時は柔軟に考えを改めることも

必要だと感じた症例です。

一概にどういう時に分けて治療に取り掛かるのか、

それとも、一緒に治療をしていくのかを

自分の中で理論化するのがまだ難しい状況です。

まだまだ勉強が必要だと痛感しました。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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