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漢方について

動物生薬は優秀だが価格が高い

漢方薬は植物を用いるイメージが強いのですが、実は植物以外にも鉱物(化石や貝殻など)や動物を配合する漢方薬もあります。

葛根湯のような馴染みのある漢方薬は主に植物のみで構成されていることが多く、保険診療で入手できたり、ドラッグストアなどで手頃な価格で購入することができます。

一方の動物生薬が配合された製品は少なく、有名どころでは動悸・息切れなどに用いる救心製薬のカプセルや錠剤でしょうか。

動物生薬には馴染みがない方もいるかもしれませんが、代表的なものには
・牛黄(ゴオウ):牛の胆石
・鹿茸(ロクジョウ):鹿の角
・羚羊角(レイヨウカク):サイガレイヨウというウシ科の角
といったものがあります。

なんだか怪しいもののように思えるかもしれませんが、植物由来の漢方薬でうんともすんとも改善しなかった症状が動物由来の漢方薬に変えることで、あっという間に症状が改善するケースを多々経験しております。

動物生薬の活躍する場面は多く、不妊症や神経障害、コロナ後遺症、疲労倦怠感などに用います。

そのため、もっと動物生薬を活用したいのですが、最大のネックは圧倒的な値段の高さです。
植物生薬や鉱物のみで配合されている漢方薬と比べて、動物由来の漢方薬はおよそ「5〜15倍」くらいの値段になってしまいます。

これでは気軽には勧めにくく、使用するにしても規定量の⅓〜½の量で服用してもらうか、頓服的に短期間のみ用いてもらうことが大半です。

もどかしい状況ではありますが、植物由来の漢方薬と動物由来の漢方薬を組み合わせて、満足していただけるように今後も精進していこうと思います。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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