今まで漢方薬局や漢方クリニックに行ったことがない方には、どんな診察・カウンセリングを受けるのかわからず、不安になるかと思います。一方、すでに通っている方でも、医療機関から十分に説明を受けておらず、訳もわからず出された薬を服用しているだけの場合もあるかもしれません。
そのような方に向けて、基本的な漢方の診断方法から処方の決め方についてご紹介します。これにより、安心して漢方相談にのぞんでもらえれば幸いです。
漢方では五感を使った診断
漢方では「四診(シシン)」を用いて、診断を行います。四診とは、触覚・視覚・聴覚・嗅覚・(味覚)の五感を使って、患者さんの病気を把握する診断方法のことです。
この診断方法は2,000年以上の歴史があります。診察のための医療器具や機器などがなかった古代に成立した診断方法ですので、五感を頼りに診断を行ってきました。
(身体の内部の状況は目には見えないけど、身体の中(内臓)の病気について知りたければ、外見をみなさい。必ず体表面に症状が現れる。だから、外をつぶさに観察すれば、身体の中で何が起きているのかを見つけることができる。)
出典:『丹溪心法(タンケイシンポウ)』
このように、古人の医師は画像診断や血液診断にて内部の状況を把握せずとも、五感を用いた四診により、病気の状態を把握することができていたと考えられます。この診断方法は一見原始的な診断にみえますが、思い当たることもあると思います。
身体の内部の症状 | 身体の外部に現れる症状 | 五感の活用 |
便秘が続く | 肌が荒れる | 視覚にて確認 |
胃酸の逆流 | 口臭が酸っぱい・えずく | 嗅覚・聴覚にて確認 |
緊張感が強い | 身体の硬直(肩こり) | 触覚にて確認 |
疲れが溜まる | 目に力がない・声に力がない | 視覚・聴覚にて確認 |
このように、身体の中の異変は五感で確認することができます。五感で得た情報というのは、血液検査や画像検査だけではわからない情報です。西洋医学と漢方の比較で、「西洋医学は病気を診る医学」・「漢方医学は人を診る医学」とよく言われているのは、まさに五感によって個々の人に焦点を当てて治療を行うからです。
とはいえ、現在では画像診断や血液検査など便利な医療機器もあるので、現代医療を駆使して漢方診断を行っているところもあります。西洋医学と漢方医学を融合して治療が行えるようになったことで、漢方の診断方法も変化してきていますが、今でも四診は有効な漢方の診断方法です。
まとめ:漢方では五感を用いて診断をする
四診でわかること
四診の具体的な方法に入る前に、そもそも漢方では診察によって何を調べるのでしょうか?当然ながら、患者様の病気の状態、お身体の状態を把握するためです。
もっとわかりやすく言うと、
「身体のどこで(病気の部位)、何が起きているのか(病気の性質)?」
を探り出すことです。病気の部位と病気の性質の2点さえわかってしまえば、自ずと処方は決まってきます。
【四診によってわかること①】病気の部位
病気の部位とは、病気の根本的な原因を引き起こしている部位のことです。頭痛であれば頭、下痢であれば大腸に問題があると考えますよね。ですが、漢方では病気の部位をもっと広くとらえます。
例)頭痛の場合
症状は頭部で生じていますが、根本的な原因は頭部以外の部位でもいくつか考えられます。
・胃腸の弱りからくる場合
・ストレスによる肩・首の血行不良による場合
・冷え(全身状態)によるもの
・ホルモンバランス(子宮・卵巣)によるもの など
ですので、患部の症状だけでなく、全身状態もくまなく調べる必要があります。
【四診によってわかること②】病気の性質
もう一つは、四診により患部で何が生じているのか(病気の性質)を把握することができます。「気(キ)・血(ケツ)・水(スイ)」や「寒(カン)・熱(ネツ)」が不足していたり、過剰になったりしていないか、停滞していないかを見極めることができます。
気・血・水とは、漢方の用語のことで、身体に必要なエネルギー源や血流、潤いなど、生きていくのに必要なものを指します。
気(キ):エネルギーとなるもの。免疫機能や体温調節機能、身体や内臓を動かす元など、生命活動に必要な活動は気の働きによって行われていると考えられています。
血(ケツ):「血液」のことです。身体の隅々まで栄養を送り届け、老廃物を回収してくれます。ただし、出血してしまった血は本来の役割を果たせないことから、離血と呼び、血とは呼びません。
水(スイ):津液(シンエキ)とも呼びます。唾液、胃液、皮膚や喉を潤す粘液など、体内にある様々な水液(体液)のことです。ただし、正常な働きをしないむくみや痰などの水分は水毒(痰飲)と呼び、区別しています。
寒(カン):身体を冷やす作用
熱(ネツ):身体を暑くする作用
気血水、寒熱の過不足や停滞を見定めることで、病気の特徴がわかります。これらにより、身体のどこで、何がどうなっているのかが分かれば、見合った処方が自ずと決まってくるということです。
まとめ:四診によって、病気の部位と病気の性質がわかる→処方が決まる
四診とは「望診・問診・聞診・切診」
いよいよ、本題となる四診について説明していきます。四診とは望診(ボウシン)・問診(モンシン)・聞診(ブンシン)・切診(セッシン)の総称のことです。この4つの診断を組み合わせることで、病態を浮き彫りにできます。
<四診>
望診:視覚による神・色・形態・舌などを観察する
聞診:聴覚(音声)と嗅覚(臭い)の異常や変化を観察する
問診:病気の状況や経過を会話で確認する
切診:手や指の触覚による脈診・腹診・触診を行う
望診
望診とは患部の状態や全身状態を、目で見て観察することです。アトピー性皮膚炎やニキビなどの皮膚の病気の場合は、口頭でどれだけ説明するよりも、目で見て色味や乾燥感などの状態を確認する方が、病気の状態を把握しやすいですよね。また、お顔の表情や舌の状態など、目に見える情報から、内臓の状態や気血水、寒熱の状態を割り出すことができます。望診により確認するものとして、代表的なものに「神」「色」「舌」があります。
1 望神
いきなり「神」と出てきて、怪しさ満載ですね。当然ですが「神」とはあくまでも比喩です。神(神気)とは目の輝き・表情のイキイキさ、動作の機敏さなど、生命力を現しています。望神ではパッと見た時の生気がある・ないを表しています。
得神(トクシン) | 生気が充実して心身がみなぎっている状態 |
少神(ショウシン) | 気・血・水が不足しており、生気が衰えた状態 |
失神(シッシン) | 気・血・水が失われてしまい、生気が危うい状態です。 |
仮神(カシン) | 危機的な状況。 |
実際に漢方薬局に相談に来られる方は、ほとんどが得神と少神になります。失神や仮神に遭遇するのは、相当重症な場合になります。
2 望色
望色は名の通り、皮膚や舌、痰といった分泌物などの色から診断をします。とりわけ色調の観察は「五色診」ともよばれ、顔色に現れた「青・赤・黄・白・黒」の色調の変化を観察します。日本人は黄色人種ですので、これを基準の色のとして、色の変化をみます。
青色 | 冷えの兆候(寒証)を示します。 |
赤色 | 熱がこもっている兆候(熱証)を示します。 |
黄色 | 疲れや胃腸虚弱などの弱り(虚証)を示します。 |
白色 | 血色が少なく、寒証や虚証を示します。 |
黒色 | 腎臓の弱りを示します。 |
・皮膚の色
・病気の部位の色
・舌、舌苔の色
・分泌物(痰・滲出液など)の色
・排泄物の色
3 望舌
望舌は舌診(ゼッシン)とも呼ばれています。舌は経絡(ケイラク)を通して各種の内臓とつながっています。経絡(ケイラク)とは血管やリンパのことで、気・血・水の通り道のことです。そのため、舌を観察すれば内臓や気・血・水・寒熱の状態を知る事ができます。
舌診で観察するのは「舌色」・「舌形」・「舌苔」になります。
舌色
舌の色みを観察します。
淡紅色 | 舌に紅みがある。体が健常な状態。 |
淡白色 | 正常より色がうすく、血色がない 体のおとろえ、冷えなどを示す |
紅舌 | 正常色より赤みが強い 身体に熱がある。ほてりやのぼせなどを示す |
紫舌 | 紫色(あざの色)の舌で血行不良を示す。 生理不順や打撲などを示す |
青舌 | 青色でまったく赤みのない舌 冷えや血行不良を示す |
舌形
舌の形を観察します。
正常舌 | 程よく引き締まっており、滑らかで潤いあり |
絆大舌 | 腫れぼったくて大きく、舌を出すと口幅いっぱい 胃腸虚弱・水分代謝の悪さ・冷えなどを示します |
痩薄舌 | 舌が痩せて小さくなったり、薄くなったもの。 体の弱り(水分不足・気血の不足)などを示します |
裂紋舌 | 舌にヒビが入ったような溝が見られる舌 水分不足・血不足を示します |
歯痕舌 | 舌辺縁に歯形がついた舌です。 気力不足・胃腸の弱りを示します |
舌下脈絡 | 舌の裏側に二本の青紫色の血管が浮き出ている状態 血行不良を示します |
舌苔
舌苔とは、舌の表面にある苔状の付着物のことです。
薄白苔 | 白色の薄い苔状 正常な状態 |
白苔 | 白い苔がびっしりとこびりついた状態 体表面に病気がある時・冷えの症状がある |
黄苔 | 黄色の苔がびっしりとこびりついた状態 身体の内部の病気がある時・体内に余分な熱がある |
灰苔(カイタイ) | うすい黒色 身体の内部に病気がある時・熱症状・水分代謝が悪い時 |
黒苔(コクタイ) | 濃い黒色を呈する。 熱の病状もしくは冷えの病状の重い時 |
聞診
患者の「音声」や「臭い」から病状を判断します。カウンセリング中に確認できない場合は問診で確認することもあります。
音声
声の大小 | 声の大きさは身体の強弱を示します (声が大きければ、体力もある) |
咳の音 | ①咳の音の大きさも身体の強弱を示します ②痰の有無を確認します。 |
ため息の有無 | ため息をすると身体が楽になる場合はストレス過多 ため息とともに疲れがひどい場合は気力の不足 |
腸の音 | 腸がゴロゴロしている時は、腸内に水がある |
臭い
患者の身体・呼吸・分泌物・排泄物などの臭いから、身体の状態を確認します。
汗の臭いが強い(腋臭など) | 身体の熱と水が結びついている状態で起きます。 |
口臭が強い | 胃の熱が強い、飲食の不摂生によることが多い。 口内炎や歯周病をともなっている場合もあります。 |
便臭・痰臭 | 化膿している場合・熱をもっている状態・飲食の不摂生 |
問診
問診では病気の状態や経過を含めて、病状全般を把握することができます。病気の種類や状態によって問診で確認する内容も異なりますが、一般的な質問内容も決まっています。
・現病歴
・症状の悪化、改善条件
・随伴症状
・既往歴、家族歴
・全身症状
主訴(シュソ)
主訴とは、患者様が一番治したい病気、症状のことです。ここを取り間違えてしまうと、まったく違う治療を提供してしまいます。東京から大阪に行きたいのに、北海道に行ってしまってはまったく意味がないどころか、むしろマイナス(遠ざかる)ことになりかねません。ですので、最初に主訴を確認をして、治療の目的設定をします。
現病歴
主訴が発生してから現在に至るまでの、「病状の変化+治療方法」を確認します。病状が好転してきているか、悪化してきているか、変わってないかによって、病態の重さについて推察します。
また、主訴に対してどんな治療を行ってきたかを確認します。過去の治療がうまくいかなかったから、漢方相談に来ているわけです。うまくいかなかった治療は処方の選定の参考になります。とりわけ、過去に漢方薬を服用していた場合、聞き出すことができれば、治療の選択を狭めることができます。
症状の悪化、改善条件
どのような時に症状が改善、もしくは悪化するかを確認します。主に1日の時間帯、季節、温めたり冷やした時、気候、ストレス負荷時、疲労時などでの症状変化を確認します。症状の変化が特定の条件で生じるのであれば、そこに対応していくことで症状は改善することができます。
・冷えによって症状が悪化する場合は、身体を温めるような漢方薬を用いる
・ストレスによって症状が悪化する+遊びに出かけているときに症状が改善、気持ちを落ちかせる・緊張を緩和する漢方薬を用いる
随伴症状
随伴症状とは、主訴とともに生じている症状のことです。主訴以外に複数の症状がある場合は、主訴との関連性を確認します。主訴との関連が高い症状があれば、病気の状態を把握しやすくなります。また、主訴と一緒に随伴症状も治療することができます。
ともにホルモンバランスの乱れにより生じています。そのため、一つの処方で同時に治療が可能となります。
一方で、主訴との関連がないもしくは弱い随伴症状の場合は、随伴症状を一度切り離して考えるか、段階を踏んで一つずつ治療することになります。
お互いの症状は関連性が低いため、別個の治療が必要となります。
既往歴、家族歴
過去にどんな病気を患ったか、ご家族でも同様の症状があるのかを確認します。これにより、患者様の本来のもっている体質について知ることができます。
全身症状
主訴以外の全身症状について問います。漢方では、「患部の状態(主訴)+全身状態(体質)」の組み合わせで処方が決まります。全身状態を問うことで、その症状を引き起こす体質が何かを見つけることができます。主に胃腸の状態・体力の有無・睡眠状態・月経の状態・便通の状態・生活習慣・冷え症や暑がりなどを問います。
切診
切診とは、患者の身体に触れて病気の状態を知る方法です。主に脈診・腹診があります。
脈診
患者の手首の脈に人差し指・中指・薬指を当てて、脈を取ります。
<脈で確認すること>
脈拍のスピード | 正常:1分間で65〜80回 65回より少ない(遅脈):身体に冷えがある 80回より多い(数脈):身体に熱がある |
脈拍の強さ | 触れた時の拍動が強い:実証(身体に悪いものがある) 触れた時の拍動が弱い:虚証(気血水が不足・虚弱状態) |
脈の深さ | 軽く触れるだけで拍動を感じる(浮脈):体表面に病証がある 深く押し込んだ時に拍動を感じる(沈脈):身体の内部に病証がある |
脈拍のリズム | 一定の間隔で拍動があるかどうかを確認します リズムが乱れて、脈が途切れ途切れ(結代脈):気血の不足、心臓の血流障害 |
脈の幅 | 脈の幅が細い(細脈):血・水の不足 脈の幅が広い(洪大脈):熱がこもっている |
脈拍の流れ | 滑らかでコロコロと流れる拍動(滑脈):水分過多・水分停滞 滑らかでなく擦るように流れる(渋脈):気血の不足・気血の停滞 |
脈の緊張度 | 脈の緊張度が強い(緊脈):気の停滞・身体の緊張度が高い |
腹診
お腹に手を当てたり、按じたりして病気を診断する方法です。腹診は中国では発展せず、日本で実用化されて独自の発達を遂げました。とりわけ、江戸時代の吉益東洞(ヨシマストウドウ)という漢方家は腹診を重要視していました。
このように述べており、吉益東洞の活躍により後世の腹診の発展に大きな影響を与えました。
・お腹の硬さ
・痛みが出る部位
・塊の有無
・腸の動き、胃の動き
・脈の動き(動悸)
・身体の充実度:虚(身体の弱り)・実(身体が充実している)
・胃腸のつまり、滞り
・みぞおちのつまり、滞り
・肋骨下の停滞度(肝・胆の異常)
・血行不良の度合い
四診ではどれが大切なのか?
四診では、病気の状態を把握するのにどれも大切です。ですが、病気の種類やお身体の状態によって、優先度が異なってきます。限られた時間内で全部の診断を並列に進めていっては、反って大切な情報を取りこぼしてしまったり、不必要な情報にとらわれてしまったりして、誤った診断ををしかねません。そこで、一律的に四診を行うのではなく、病状や状態に合わせて、臨機応変に四診の優先度を変えていく必要があります。
・望診:皮膚病など視覚的にわかるもの
・聞診:咳、声枯れ、痰の絡みなど音でわかる場合
・問診:全般的な病態に対応(望診・聞診・切診の優先以外全て)
・切診:痛みやむくみ、肌の湿りなど触れることでわかる病状の時
このように、緩急をつけて柔軟に対応することで、より大切な情報を深掘りすることができます。
処方の導き出し方(標治と本治)
おさらいになりますが、四診の目的は「病気の部位」と「病気の性質」を導き出すことです。これにより、単一の病態であれば自ずと処方は決まってきます。ですが、病気が慢性化している場合や複数の病態がある場合は、簡単に処方が定まらないこともあります。というのも、病気が複雑化すれば、治療するアプローチも複数になってしまいます。そのため、どこから手をつけていけばいいのかがわかりづらくなります。
例)慢性的なアトピー性皮膚炎の場合
病気の状態:体表面〜内部に強い炎症(熱証)がある
体質:身体が虚弱で胃腸が弱くて、疲れやすい
このような場合、治療法は3パターン考えることができます。
①炎症(熱証)を抑える処方
②胃腸を丈夫にして、体力をつける処方(自然治癒力を上げる)
③炎症を抑えながら、同時に体力をつける処方
①の場合は、まずは辛い症状を抑えてしまうことを目的とします。いわば、対症療法の考え方に近く、漢方では「標治(ヒョウチ)」と言います。
②の場合は、アトピーを引き起こす原因そのものを根本から治療する方法のことで、「本治(ホンチ)」と呼びます。
③の場合は、標治と本治を同時に行う治療法です。
この場合、どれが正解なのでしょうか?
正解はどれとは言い切れません。「漢方とは体質改善である」と思っている方からすると、②の本治が正解のように思えますが、そうとも限りません。特にアトピー性皮膚炎の炎症症状が強い時は、まずは標治で炎症を抑えて、症状を軽減させた方が患者様の苦痛を減らし、より早く改善へと導けることも少なくありません。
このように、すべての病気がマニュアル通りに治療できるわけではありません。何が最善な処方選択になるのか、お一人お一人に合わせて考えていく必要があります。標治と本治を上手に使い分けることができるかが、漢方の腕の見せ所ともいえます。
まとめ:処方には標治と本治がある
状況に合わせて処方選択をする
来局時に気をつけ欲しいこと
四診を行うにあたり、漢方薬局やクリニックに行く際にどんなことに気をつけていけば良いのかをまとめておきます。
①色の濃い食事は控えていただく
ご来店された際には、舌の状態を確認いたします。そのため、来店当日はコーヒー、紅茶、飴のように色のついた飲食を控えてください。合わせて、舌のブラッシングで苔を取り除かないでください。これにより、本来の舌の色や苔の状態が変化してしまい、的確な処方の選定ができなくなる場合もございます。
②服装について
服装は自由で構いません。ですが、皮膚病であったりむくみなど目視したり、触診にて確認する場合、患部をすぐに出せる服装だと助かります。もし、難しそうであれば、写真に撮ってご持参いただけると幸いです。
③お化粧について
ニキビや吹き出物などお顔の症状がある場合は、可能な限り素肌が見れるようにお化粧をしないでご来店いただけると幸いです。もし、日によって変動がある場合は、症状が出ている時のお写真をとって頂きますと、参考になります。
④服用しているお薬情報のご持参
服用薬やお薬情報などがありましたら、お知らせください。飲み合わせや現在の病歴の確認をさせて頂きます。
四診のまとめ
これから漢方薬を使ってみたい、試してみたい方に向けてどのような診察・カウンセリングが行われるかをご紹介しました。
最後に漢方の欠点についてもご紹介します。「診る人によって処方(診断)が異なる」ことです。
漢方では五感を使って診断を行うため、先入観や思い込み、知識、経験、さらには流派によって、診断に違いが生じやすいです。一方の西洋医学では、検査結果を重んじるため、誰が行っても誤差が生じにくく、治療に差が生じにくいといえます。そのため、一度漢方を試して効果を感じられなかった方でも、別の医療機関に変えることで、違う結果になることもあります。
漢方に興味がある方は、ぜひ一度気になる専門の医療機関に足を運んでみてください。
参考書籍
・基礎中医学(神戸中医学研究会・燎原)
・[新装版]中医臨床のための舌診と脈診(東洋学術出版社)
・わかる中医学入門(燎原)
・中医学ってなんだろう(東洋学術出版社)
・東洋医学概説(創元社)
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