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症例紹介

症例52 耳鳴り・胃のつかえ・頭痛のご相談

20代半ば 男性
相談内容:天候不良による耳鳴・胃のつかえ・頭痛

社会人になってから、天気が悪くなるタイミングで体調不良を起こすようになりました。
最初は軽度であったが、今年に入ってから耳鳴り・胃のつかえ・頭痛が顕著になってきました。

体調が悪いと、仕事も手につかず横になっていたいほどのようです。
・耳鳴り:高音でキーンという音
・胃:張って、ガスがたまる
・頭痛:側頭部がジワっとする痛み

市販薬の五苓散を服用してみたものの、少し良い気がするだけとのことでした。

処方選択

天候不良による体調不良のことを「気象病」といいます。
気象病は、天候不良によって生じる体内浮腫が引き金になって生じます。

この気象病の改善に第一選択として用いられるのが、五苓散です。
五苓散は、気象病によって乱れた体内の水分バランスを調整することで、頭痛や耳鳴りなどの症状を改善します。

ですが、今回はすでにご自身で五苓散を服用した後でのご来店です。
かといって、五苓散がまったく効いていないわけでもないのです。

そこで、五苓散を活用しつつ、胃の水分代謝を上げる処方を追加でお渡ししました。
すると、1週間後には胃の不快感が取れて、耳鳴りや頭痛も少し軽減するようになりました。
2ヶ月服用する頃には、頭痛も耳鳴りも徐々に軽減していき、生じなくなりました。

まとめ

今回の症例では、五苓散だけでは効力が不十分であったが、別の処方を合わせることで効果を高めることができた症例でした。
すでに患者様が用いた処方を再度使うのは勇気がいりますが、病態把握を正しく行えば、活用することができるのだと実感しました。

五苓散については、下記に詳しくまとめています。

気象病については、下記に詳しくまとめています

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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