症例紹介

症例11 生理前の疲労感・立ちくらみ

ヒトは生まれつきのカラダの強さによって、

疲れやすかったり、無理ができなかったりします。

これは後天的に運動や食事などで、

ある程度はカバーすることができます。

一方で、ライフステージに変化によって、

一時的に大きな疲労感が出ることがあります。

例えば、入試試験目前で徹夜続きの日々を過ごしたり、

仕事が多忙で休む時間が取れなかったりする場合です。

そして、今回のケースのように産後で

一時的に体力が落ちてしまった場合も

一時的な体力の欠損に該当します。

大事なことは、疲労感の原因が

もともとのカラダの強弱にあるのか一時的であるのかを

判別することです。


30代 女性

前回の生理前からだるさと眠気を

強く感じるようになりました。

生理がきてしまうとだいぶ改善するのですが、

生理前1週間はだるさで何もできなくなります。

同時にめまいや立ちくらみも現れます。

特に起床時は強くて、

疲労感が抜けません。

昨年出産をしましたが、

妊娠中は橋本病になり、

しばらく鉄剤を服用していました。

出産前は大丈夫でしたが、

出産してから症状が強く出るようになりました。

食事は食べられるのですが、

食欲がなくて、無理矢理食べている感じです。


この患者さんは生理前に増悪すること、

出産後から症状が強く出るようになったこと、

出産前は大丈夫であったこと、

見た目の虚弱感やカラダの弱りなどは

見受けられないことから、

一時的な体力の欠損が伺えます。

体力や生理に必要な「血」を食事から

効率的に産生出来るような漢方薬を使用しました。

3週間服用したところで、

生理がきたのですが、

立ちくらみもなく、倦怠感も10→4、

午後の眠気も消失しました。

その後の生理も安定していたので、

3ヶ月服用したところで、

漢方薬治療は終了しました。

一時的な疲れやだるさは

食事・運動・睡眠・ストレス対策など、

日常生活の改善で改善することができますが、

疲労感の強さによっては、

日常生活の改善だけではカバーできないこともあります。

そのような時には、

専門の医療機関で診てもらうと良いでしょう。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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