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症例紹介

症例46 気候の変動や忙しさによる下痢・嘔吐

相談内容:下痢、腹痛、嘔吐、食欲不振を改善して欲しい
相談者30代前半女性

2週間ほど前から、胃腸の調子が悪くなりました。
大便は軟便〜泥状の便で、夕食を食べると腸がギュルギュルなって、トイレに行きたくなります。
常に胃が重くて、そのせいで食欲もなく、朝と昼はほとんど食べられません。
鍼灸や整体で一時改善しましたが、少し油物を食べたらまた下痢になってしまいました。
お腹が痛くなると、吐いてしまうこともあります。

疲れが取れなくて、夕方になるとぐったりして動けなくなります。
頭もボーッとしてうまく働きません。

数ヶ月前に引っ越したばかりで、まだ環境に慣れておらず、もともと季節の変わり目が苦手で、体調を崩しやすいです。

処方選択

気候の変動や引っ越しは、想像以上に心身に負担がかかります。
それにより、疲れが蓄積して、結果的に胃腸の動きが悪くなってしまったのだと考えられます。
漢方薬には、病気を治す処方がある一方で、身体の不足分を補うことで、体調を整えていく処方があります。

今回は、明らかに身体の疲れが原因で生じた胃腸の不調です。
ですので、身体を元気付けて胃腸の働きを元の通りに動かせる処方を用いました。

処方:香砂六君子湯(コウシャリックンシトウ)

2週間ほどの服用で、下痢は徐々に落ち着いていき、食欲も改善しました。
調子も良いので、もう1週間分をお渡しして、終了となりました。

まとめ

身体の疲れは、知らぬうちに起きています。
日々、自分の身体に目を向けるとともに、無理をしすぎないように用心することが大切です。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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