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養生

梅雨の季節の養生法

なんとこの記事は先ほど作成したのに、全部消えてしまったので泣く泣くもう一度作成し直すことになりました(泣)

さて、もうすぐ東京も梅雨に入りそうな気候になってきました。
雨が多く天気も悪い日が続いているため、体調不良を訴える方が多くなってきています。

実際に、日本人の約7割の方は天候不良による体調不良を自覚していると言われています。
(参考:【天気痛調査2023】/ ウェザーニュース
確かに近年の異常気象とも言える気候変動の影響が、気象病の対象者を増やしているのは否めません。
ですが、それ以上に我々の生活習慣が気象病を発症させやすい下地を作っているとも言えます。

まだ、梅雨には入っていないですが今のうちから対策をしておくことで、来たる梅雨に立ち向かえるようにしてもらいたいです。

養生の目的

養生には「病気を治すこと」を目的とする場合と「健康増進を心掛け病気を予防する」目的とがあります。
今回の梅雨対策の養生では、発症を予防するだけでなく発症を軽減することの両方が目的です。

重度の気象病の場合は、養生だけですべてをカバーできないと思いますが、それでも軽度の場合なら養生だけでも対応できます。

さらに、梅雨対策の養生は他の病気や症状にも応用できますので、ぜひ参考にできるところは取り入れてみてください。

梅雨の季節の特徴

梅雨の季節は「気圧の変動」と「高温多湿」が体への負担になります。

気圧の変動は血流を悪化させてしまい、高湿度は体に余分な水を溜め込んでしまいます。
これが、梅雨の季節に体調が悪くなってしまう原因となります。
ですので、いかに血流を安定させるかと体に余分な水をためないかが重要です。
この血流悪化と水分を体に溜め込むことで、さまざまな症状が起きえます
・頭痛
・めまい
・耳鳴り
・体の倦怠感、重だるさ
・メンタル不調
・咳や喘息
・関節痛 など

梅雨対策の養生は「冷え」と「水」

最初に一番大切な養生をお伝えすると、それは「冷え」と「水」です。
体が冷えれば血流は悪くなりますし、水分を過剰に摂取するれば体に水が溜まります。

現代は冷房が効いた環境で、椅子に座ったまま作業をすることが多いですよね。
そうすると当然ながら血流は悪くなってしまいます。
加えて冷房がガンガン効いた部屋にずっといたら、、、
血流が悪くなるのも当然ですよね。

そして、水分。
梅雨の季節は気温も上がるため、水分もたくさん摂取してしまいがちです。
ちまたでは、熱中症対策で水分をたくさん摂りましょうということは言われますが、とりすぎの弊害についてはあまり言われていないような気がします。

漢方では、水分が不必要に体に溜まった状態を「水毒」や「痰飲」と呼んでいます。
そのため、胃腸で処理しきれないほどの水分摂取(加えて冷たい飲み物)は体に負担をかけてしまいます。

ではいったい、どれくらいの水分がとれば良いのでしょうか。
実際に店頭にいらっしゃる方ですと、日頃の生活習慣がわかりますので、水分が多すぎるか少なすぎるかを判断がしやすいのですが、その人の日々の活動量や環境、気温によって変わってくるのでみんな一律にどれくらいの水分が必要かは判断できません。

そうはいっても、目安が必要です。
目安として、「最低でも1時間に一度は軽く水分を摂ってください」ということです。
その際に、がぶ飲みはしないでちょこっとずつ補給するようにしてください(常温以上の温度の水が理想です)。

このようにすれば、過剰な水分摂取を防げてなおかつ少なすぎる問題も解決できます。

養生【食事】

食事で気をつけることは、先に述べた「冷飲食を控える」「水分量の適正化」です。
冷飲食の判断は、自分の体温より低い食材はすべてと言えます。
ですので、アイスクリームはもちろん、刺身や生野菜サラダも該当します。

もちろん、冷飲食を一切断たなければならないというわけではありません。
冷飲食を摂る際に、温かいものと一緒に摂っていただければ問題ありません。

他に気をつけることとすれば「油物」と「甘いもの」です。
はい、どちらも美味しいものですね。
夏は冷たいビールに唐揚げなどの揚げ物が最高という方もいるかもしれません。
また、甘いものが好きな方も多く、間食でチョコレートなどのお菓子を食べている方も多いかもしれません。

ですが、揚げ物や甘いものはドロドロとして胃腸に溜まり水毒(痰飲や痰濁)と呼ばれる気象病の要因となるものに変わってしまいます。

養生【睡眠】

睡眠はできるだけたくさん寝るに越したことはありません。
とりわけ日本人は睡眠不足が叫ばれれいるので、今より睡眠時間を確保することは必須と言えます。

ですが、寝ても寝ても疲れがとれません。
寝ても朝からだるいです、という場合は要注意です。

睡眠不足によるエネルギーの不足が原因ではないかもしれません。
その場合は、血流停滞や水毒(痰飲)が原因かもしれません。

養生【運動】

寝ても疲れが取れないのは、全身に必要な血がめぐっておらず、体に余分な水が溜まってしまっているからかもしれません。

このような場合はいくら寝ても疲れは取れません。
寝ても血流は良くならないんですね。
その場合は、体を動かすのが一番効率です。

実際私も体や頭がすっきりしない時はスクワットをすると、一瞬で頭と体がスッキリします。
ですので、運動はなんでも良いので取り組むことが大切です。

大事なことはどんな運動をするかよりも、毎日続けられることにあります。
1日だけハードなトレーニングをしても血流はその一時だけしか良くなりません。

毎日毎日体を動かすことで、血流は維持され余分な水も流れていきます。
運動習慣がない人は、いきなりハードな運動をすると嫌になってしまうので、まずは歩くことから始めてみてください。
意気込んで散歩する必要もなく、普段より多く歩くことを意識することです。

  • ネット通販で買っていたものを店舗で購入してみる
  • いつもより大回りして駅や家に行く
  • エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を利用する

といったような、ちょい足しの歩きで少しずつ運動習慣を身につけてほしいです。

まとめ

今回ご紹介した養生は、何も梅雨対策だけではありません。
冷え症や慢性的な疲労、肩こりなど幅広い症状や病気の養生にもなります。

また、どうしても養生だけでも改善できないような気象病の方はぜひ一度専門の漢方医療機関にご相談ください。

気象病について詳しくはこちらをご覧ください。
気象病の漢方薬治療 | 三鷹の漢方薬局 Basic Space

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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