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症例紹介

症例2 男性の冷え症

冷え症は女性に多いのは事実。

それは、男性よりも筋肉量が少ないため、熱を生み出すことができないからです。

ですが、近年ではオフィスワークも増えたこともあり、男性の冷え症のご相談も受けるようになってきました。

今回は、漢方薬局を開局して初めての患者様の症例について、反省を踏まえて振り返ってみたいと思います。

20代 男性 冷え症・敏感肌

・高校を卒業したあたりから、手足に冷えを自覚するようになる。

・特別な原因はなく、夏場でも冷えを自覚する。

・肌が敏感でカミソリ負けしてしまうのが困っている。

・今は通信制の学校に通いながら一人暮らしをしている。

・食欲はあまりないが、量はとれている。

・大便は毎日キチンと出ていて問題はないようである。

・多動性障害と睡眠障害のため、西洋薬を服用している。

・風呂には入らず、シャワーのみである。


カウンセリングした内容はざっとこんな感じです。

さて、どうやって治療するか。

実際に来た患者さんの情報であるが、

非常に情報が少ない。。。

結局この患者さんは一度来たきりで、

来なくなってしまった。

私が開業して最初の症例である。

久々に見返してみたのであるが、

今だったら、もっと情報を蓄積できたはずである。

実際に手足に触れた時の冷えの具合

食事の量と内容

生活サイクルの確認・・・など、

まだまだ必要な情報はあるのであるが、

問診票に記載されていないので、

今となっては闇の中である。

冷え性の要因となる一番のポイントは一人暮らしにあると思われる。

・キチンとした食事がとれていない可能性

・運動不足による筋肉の低下

・風呂に入らない

→体の芯まで温まらない+睡眠の質の低下

など、この場合は生活習慣の改善が先決となる。

そして、煎じ薬もほとんど服用していただけていなかったので、

これも反省点である。

エキス剤からスタートしても良かったと感じる。

過去の薬歴を振り返ると、

自分の力が及ばなかった事例に出くわす。

来た人全員を治せるようになるまでは、

満足はできない。

タイムマシンはないので、

あの頃には戻れない。

とにかく自分が力をつけるしかないのである。

それを淡々と続けるのみ。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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