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症例紹介

症例77 冷えによる腰痛に漢方薬が奏功した症例

腰痛に悩む方は多くいらっしゃいますが、腰痛の原因はハッキリとはわからなことが多いです。

東洋医学では、西洋医学的に腰痛の原因がはっきりとわかっていなくても、
・どのような時に痛みが出たり、悪化するか
・反対にどうしたら痛みが和らぐか など

詳細なカウンセリングを行うことで、腰痛の病態を把握することができます。

多くの腰痛は、腰回りの筋肉の固縮や血流障害が起きていることで発症していると考えられます。

症例

相談者:40代後半 女性
相談内容:腰の痛みを改善して欲しい

1ヶ月ほど温暖な国に海外出張されて、先日帰ってきました。
日本に帰ると、出張中の気温とはうってかわって、気温がグッと下がって寒く感じました。

出張中は何時間もずっと座りっぱなしなことが多く、疲れもたまっていました。

帰国して数日後に突然腰が痛くなり、腰を曲げることもできなくなりました。
また、寝返りも打てないので、睡眠も十分にとれません。

湿布を貼って対応していましたが、まったくよくならないので漢方薬で改善をしてほしいと思い、来局しました。

処方選択

今回の腰痛の原因は大きく分けて2つだと考えられます。

・ずっと同じ姿勢による筋肉の硬直
・冷えによる筋肉の硬直

海外出張中は温暖な気候ではあったのですが、ずっと座りっぱなしの時間が長かったこと、また普段とは違う環境で多かれ少なかれ緊張感もあったものだと思われます。

出張中は腰の筋肉の緊張状態が続き、日本に帰ってきた途端に体が冷やされて、よりいっそう筋肉の硬直を強めてしまったものと思われます。

そのため、漢方薬治療では筋肉の緊張を緩めて硬直をときほぐし、血流を改善することで痛みを和らげることが腰痛の改善につながると考えられます。

漢方薬の内容は、血流を促し身体を温める「当帰(トウキ)・桂皮(ケイヒ)」、筋肉の緊張を緩めて痛みを和らげる「当帰・芍薬(シャクヤク)・甘草(カンゾウ)」、これらを組み合わせた漢方薬を2週間お渡ししました。

1週間服用したところ、腰の痛みはすっかりなくなり元の生活に戻ることができたようです。
2週間服用したところ、調子も良好であったので服用を中止しましたが、その後は再発せずに良好です。

まとめ

腰痛は慢性病として、長年にわたり痛みを抱えている方も少なくありません。
しかし、急性的な場合は適切に対応することで速やかに改善することも可能です。

腰痛でお困りの場合は湿布ばかりに頼らずに、漢方薬や鍼灸等の方法も活用できることを知っていただければ幸いです。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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