20代半ば 男性
相談内容:天候不良による耳鳴・胃のつかえ・頭痛
社会人になってから、天気が悪くなるタイミングで体調不良を起こすようになりました。
最初は軽度であったが、今年に入ってから耳鳴り・胃のつかえ・頭痛が顕著になってきました。
体調が悪いと、仕事も手につかず横になっていたいほどのようです。
・耳鳴り:高音でキーンという音
・胃:張って、ガスがたまる
・頭痛:側頭部がジワっとする痛み
市販薬の五苓散を服用してみたものの、少し良い気がするだけとのことでした。
処方選択
天候不良による体調不良のことを「気象病」といいます。
気象病は、天候不良によって生じる体内浮腫が引き金になって生じます。
この気象病の改善に第一選択として用いられるのが、五苓散です。
五苓散は、気象病によって乱れた体内の水分バランスを調整することで、頭痛や耳鳴りなどの症状を改善します。
ですが、今回はすでにご自身で五苓散を服用した後でのご来店です。
かといって、五苓散がまったく効いていないわけでもないのです。
そこで、五苓散を活用しつつ、胃の水分代謝を上げる処方を追加でお渡ししました。
すると、1週間後には胃の不快感が取れて、耳鳴りや頭痛も少し軽減するようになりました。
2ヶ月服用する頃には、頭痛も耳鳴りも徐々に軽減していき、生じなくなりました。
まとめ
今回の症例では、五苓散だけでは効力が不十分であったが、別の処方を合わせることで効果を高めることができた症例でした。
すでに患者様が用いた処方を再度使うのは勇気がいりますが、病態把握を正しく行えば、活用することができるのだと実感しました。
五苓散については、下記に詳しくまとめています。
気象病については、下記に詳しくまとめています
コメント