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症例85 膀胱炎の初期症状に漢方薬が奏功

漢方相談

相談者:40代半ば 女性
相談内容:排尿時の違和感と尿の混濁

一昨日に温泉に行き、昨夜から排尿時に違和感を覚えるようになりました。
痛みはありませんが、脇腹が張ったような感覚が出てきました。

小便の回数は普段通りですが、尿が少し濁っているような気がします。
血尿はなく、のどの渇きもありません。
大便は正常です。

膀胱炎は数年前の産後に一度、軽度なものが生じたくらいでそれ以外はありません。

「膀胱炎の漢方薬治療」について、詳しはこちらをご覧ください。

漢方薬の検討

温泉に入ったことが膀胱炎の原因かもしれませんが、症状はそこまで重くはなさそうなので、漢方薬で早めに対処できそうだと考えました。

膀胱炎の初期状態では、症状に合わせて速やかに対処することが大切です。
今回の場合は「排尿時の違和感」「尿の混濁」の2点がキーワードになります。

排尿時の違和感は炎症を現していて、東洋医学的には「熱証」に相当します。
尿の混濁は「痰濁(タンダク)」を現しています。

これらより、この膀胱炎の病態は「湿熱証」と判断できます。

処方:五淋散(ゴリンサン)

この漢方薬を1週間お渡ししたところ、脇腹の脹りが消失し、排尿時の違和感はほぼなくなり、尿の混濁も減少しました。
本人の希望により、これにて服用を終了となりました。

漢方薬で身体が温まる?

膀胱炎の症状は改善したのですが、実は服用途中にちょっとしたトラブルが生じました。

服用して数日した頃、患者様が来局されてこう言いました。

「漢方薬を服用し始めてから、夜間に汗が出るようになりました。どうすれば良いでしょうか」

この質問には正直驚きました。

というのも、五淋散は身体の熱を冷ます(清熱作用)のある漢方薬です。

五淋散は身体を冷やす方に働くので、身体が温まることはないだろうと思いました。

しかし、実際に起きていることは真逆です。

夕食前に服用する漢方薬を15〜16:00と前倒しで服用してもらうことで、対処できました。

考察

なぜ五淋散を服用してから身体が温まってきたのかは分かりません。

1週間後にいらっしゃった時に患者さんに再度確認してみると、「漢方薬を服用するとお腹周りが温まってとても心地よい」とおっしゃいました。

確かに五淋散の服用で身体が温まり、夜間には寝汗として生じていたようです。

以前どこかの本もしくは講演会で、「身体の熱をとる漢方薬を使うと、炎症がとれて流れが改善して、冷えが改善することがある」と聞いたのを思い出しました。

この場合もおそらく、本来の炎症が緩和されたことで、身体の調和がとれて熱が循環するようになったのかもしれません。

今回の症例でもまた、たくさんのことを学ばせていただきました。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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