高齢になると、食べられる量が減る。
これは紛れもない事実です。
中には年を重ねても、胃腸が丈夫で、まったく食欲が落ちない人もいるかもしれませんが、その場合は両親に感謝です。
生まれもった胃腸の強さを持ち合わせています。
ですが、高齢になれば食べられる量は減ってしまいます。
これを歳だから仕方ないと考えるか、それとも病的な食欲低下として考えるかは、判断が難しいところです。
先日、患者様(女性、80歳程)から、ご主人の食欲低下について
ご相談がありました。
「最近、主人の体が弱ってしまって、
食べる量がすごく減ってしまったんです。
もともと、体重がある方ではないのに、どんどん細くなっていくようです。
足もおぼつかなくなってきて心配です。
年齢も年齢ですから、、、どうしようもないでしょうか」
要約するとこのような相談です。
漢方薬には胃腸の機能を高めて、食欲を増やす漢方薬があります。
特に高齢の方には、胃酸が不足して消化不良になったり、胃腸の動きが悪くなって、食欲が落ちてしまうこともあります。
あまりに顕著な場合は治療をお勧めしますが、この判断の見極めもなかなか大変です。
その時は様子見にしておいたのですが、次にきた時に食欲低下の原因がわかりました。
患者様
「実はちょっとびっくりしたことがありました。
先日主人と出掛けた時に、ちょうどお昼になったので、外で食事をすることにしたんです。
すると、普段全然食べない主人が、2人前もある寿司を平らげたんです!
久しぶりにそんなに食べるのを見たので、びっくりしました。
また別の機会で出掛けた時も、うなぎをペロリと平らげていました。」
とおっしゃいました。
これで、なるほどと思いました。
普段はあまり出歩かないご主人は家の中にいたことで、気持ちとともに食欲が落ちてしまっていたのです。
外に出て動いたり、自分が一番食べたいものを食べるという目的があった時、普段眠っていた食欲が戻ってきたのです。
この場合は治療など不要です。
胃腸は思っているほど衰えてはいないからです。
解決策は外に出て、歩く機会を少しでも増やすことです。
森などの自然の中を歩くのは抗うつ剤を服用するのと同等の効果があると言われています。
体を動かして美味しいものを食べる。
当たり前のことを身をもって教えられた出来事でした。
それが原因で、家では食欲もわかなかったのでしょう。
漢方薬は必ずしも全ての人に必要なわけではありません。
治療が必要なのか、不要なのか、その判断も含めて、気になる方は一度、漢方専門の医療機関を尋ねてみてください。








コメント