40代女性
主訴:痰が溢れてきて気持ち悪い
日常忙しくしていると痰は気にならない。
しかし、昼食後やお風呂に入っている時など
気持ちが落ち着いている時になると、
鼻の後ろ〜口の後ろあたりに
多量の痰が溢れてくる。
痰の色は白色で少し粘稠である。
口から痰を吐き出すと、
いくらか気分は楽になるものの、
痰が出せる環境にないと、
気持ち悪くなってきてしまう。
そんな状態で、はじめに
小柴胡湯+桔梗を出すも無効。
次いで、
葛根湯加辛夷川芎に切り替えたところ、
これが著効。
徐々に痰は減少に転じる。
痰が多量にではじめた時に服用すれば、
症状が抑えられる。
まだ完治には至っていないものの、
状態は安定しており、
継続中である。
(葛根湯加辛夷川芎:1ヶ月半服用中)
考察
食後に痰が溢れてくること、
病理の慢性化を考慮して、
小柴胡湯を初めに使用したが、
効果はなかった。
しかし、葛根湯加減が功を奏した。
これよりこの病態はまだ鼻や気道などの
浅い部分で生じているものである。
葛根湯特有の明確な「悪寒、発熱、項背強」
はなく、慢性化により病位は鼻に限局(+川芎、辛夷)
している状態であった。
このあたりの見極めはなかなか難しいと思われるが、
病気の進行状況を見極めて、
もっと正確に判断できると、
治療を早めることができるのかもしれない。
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