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症例紹介

症例81 月経不順と月経痛に漢方薬が奏功した症例

月経不順や月経痛をかかえている方は少なくはありません。
周りの人と比較したり自分で調べない限り、自分の月経状態が正常かどうかがはっきりとわかっていない方もいらっしゃいます。

そのため、月経痛があまりなかったり、PMS(月経前の不調)がないと月経周期が乱れていてもあまり気にならないかもしれません。
また、毎回月経時に鎮痛剤を服用していると、月経痛はあるのが当たり前になってしまい、それに対して違和感も持たなくなってしまいます。

しかし、月経の状態が乱れているということは、子宮や卵巣だけにとどまらず全身にも良くない影響を及ぼしている可能性があります。

今回の症例では患者さんの本来訴える要望とは違いましたが、月経不順や月経痛を改善することで他の症状も軽減できた症例をご紹介します。

月経不順と月経痛の漢方薬治療については、こちらをご参照ください。

症例

相談者:20代前半女性
相談内容:冷え症と肌荒れ、情緒不安定の改善

患者様

高校生くらいから手足末端の冷えが強く、気になっていました。
肌も乾燥しやすく、ちょっとしたことで吹き出物ができやすいです。
これらを改善したく相談に来ました。

薬剤師 今井

(冷え症と肌荒れの相談でしたので、これらについて詳しく聴いていこう)

全身状態について伺ったあと、月経状態についても尋ねました。

患者様

月経周期は前回は45日程でしたが、35日ほどだったり、2ヶ月(60日)くらい間があくこともあります。
月経痛はあまりありません。
月経前にはイライラしやすくなったり、落ち込みやすくなったり情緒が不安定になりやすいです。
また、月経前には肌荒れもしやすく吹き出物もできやすいです。

薬剤師 今井

(月経周期が不安定であること、月経前症候群が現れていることから、ホルモンバランスの乱れを考慮する必要がある)
(しかし、月経痛がないというのは確かであろうか。念の為、鎮痛剤を使っているか確認してみよう)

月経時には鎮痛剤を1日2〜3回(月経初日〜月経2日目)に使用しており、そのため月経痛を感じていないようでした。


以上のようなやり取りから、冷え症や肌荒れの改善も大切ですが、月経状態が不安定である以上、表面的にこれらの治療に着手しても対症療法にしかならず、根本的な改善は望めません。

そのため、お悩みの症状の改善には、「月経状態を整えること(月経周期の安定、月経痛をなくす、PMSの改善など)」、つまりホルモンバランスを安定化させることが必要だと考えました。

そこで、気血の流れを整えて月経不順や月経痛を整える作用のある「逍遥散(ショウヨウサン)」をベースとした漢方薬をお出ししました。

服用を開始しして1ヶ月半後に月経が来ました。
今回の月経周期は45日でしたが、月経痛のレベルは半分になり痛み止めの服用回数は半分になりました。
また、手足の冷えも少し軽減し月経前の肌荒れも改善してきました。

その後も服用を継続していると、月経周期は39→31→29→28日と安定するようになりました。

服用の途中で服用回数も減らしてみましたが、月経も安定するようになり、落ち込みなどの情緒の不安定さも軽減してきました。

まとめ

今回は月経周期や月経痛を治療目的としていないご相談でしたが、月経状態を改善することで全身状態が整っていった症例をご紹介しました。

また、月経痛は鎮痛剤をしていることで痛みが隠れてしまい、本来の痛みの強さがわからなくなってしまっている可能性があります。

鎮痛剤を頻繁に服用(1日2回以上を複数日)しているようであれば、痛みは強いと考えていただければと思います。

今後も、表面的な症状にとらわれずに漢方薬を選択していきたいと思います。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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