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症例紹介

症例79 下痢型の過敏性腸症候群に漢方薬が奏功した症例

不意に過去のことを思い出すことがあります。
2016年に漢方薬局を開業して間もない頃は、今よりももっと漢方の経験が乏しく右往左往していて、毎日がてんてこまいでした。
思うように患者さんの病態を把握できず、恐る恐る漢方薬をお出ししていた時でした。

今見返すと患者さんには申し訳ないですが、なんでこんな漢方薬を出してしまったのだろう…と反省することもあります。
ただ、そんな状況でありながらも、患者さんの病態を把握できたことで、症状を改善することができた症例をご紹介します。


相談者:30代前半 女性
相談内容:お腹の膨満感と頻発する下痢を改善して欲しい

1年ほど前に、仕事で責任ある立場に昇格しました。
仕事はやりがいがあり、忙しいならがも充実した日々を送っていました。

しかし、時を同じくしてお腹の不調を感じる様になりました。
食事をしてすぐに行動するとお腹がキリキリと痛みだし、下痢になってしまいます。

大便をしても少量しか出ず、残便感があります。
そのため、何度もお腹の痛みが生じ、少量の大便をしてやり過ごしている状況です。
お腹の張りも強く、腸がゴロゴロと激しく動いているのも感じます。

1週間前に吐き気が強くなったので、病院にかけこみましたが、検査結果では何も異常が見つかりませんでした。

病院では、過敏性腸症候群と診断されていて、コロネル、ビオスリー、ナウゼリン、チアトンなどを長い間出されていますが、思うような効果を実感していません。

この異常な吐き気がまた起きたら怖いので、ご相談に来ました。


以前のコラムでもご紹介しましたが、お腹の不調は日常生活に大きく影響を与えてしまい、行動範囲が制限されたり、過剰なストレスを強いられます。

今回の症例では下痢症状ではあるものの、スッキリとした排便はなく腹痛が強く残便感も生じているため、腸の痙攣による異常運動が生じているものと考えられます。
腸は筋肉でできているため、強い腹痛は筋肉の攣縮によるものと考えて、「芍薬-甘草」により痛みを抑えることにします。
また、腸内の水分が過剰になることで下痢になってしまうので、腸内の水分を減らして、下痢を抑える生薬を組み合わせてお出ししました。

1週間ほど服用していただいたところ、腹痛が6-7割軽減し、大便も形のあるスルッとした便になりました。
その後も服用を続けましたが、完全に症状が寛解するところまではいかず、1年ほど服用したところで服用を終えました。

それでも、来局当初よりは格段に症状が軽減したので、患者さんにも感謝されたのを今でも覚えています。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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