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雑記

当たり前は当たり前ではない

本日、我が子が2年間通っていた保育園を退園することになりました。

保育園が嫌だったとか合わなかったとかではまったくなく、こちらの事情で幼稚園に変えることになったのです。

通っていた保育園の保育士さんならびに親御さんはとても素晴らしい方々ばかりでしたので、保育園を離れることは名残惜しい気持ちです。

今までも保育士さんに感謝の気持ちはもっていたつもりでしたが、2年間も保育園に通わせていると、どことなく子供を預かってもらえるのが「当たり前」になってしまい、その生活が日常になっていたような気がします。

いざ離れることになると、保育園に通わせていただけたことや保育士さんのありがたさが身に染みてきました。

時は無常で、今ある当たり前は決して当たり前ではありません。

ですが、その当たり前が失われる時に、当たり前であった大切さに気づくのです。


漢方薬局の仕事というのは、心身の不調やお悩みに漢方薬で応えていくことです。

日々いろいろなご相談を承っているため、同じようなご相談に出会うことは少なくありません。

私にとっては珍しいご相談ではなかったとしても、患者さんにとっては耐え難いほどつらく、なんとか改善してほしいと思って数ある漢方薬局の中から当店にいらっしゃってくださいます。

もちろん、いらっしゃった方々に対して全力で向き合っているつもりではあります。

しかし、ふと思うのです。

漢方相談をさせて頂くことが、「当たり前」になってはいないであろうか。

同じような相談がくると、ついつい今までの経験や自分のクセで安易に漢方薬を決めてしまいそうになります。

そうやって油断して漢方薬を出してしまった時に、思わぬ見落としをしてしまうことがあります。

その結果、患者さんの想いに応えられず来なくなってしまう方もいらっしゃいます。

あとあと振り返って後悔するのですが、時すでに遅しです。

同じようなご相談にみえても、お一人お一人のお身体の状態や背景は違います。

勉強してきたことや経験してきたことは大きな力になりますが、反って先入観に囚われてしまうこともあります。

漢方相談をさせて頂けるのは「当たり前」なのではなく、今まで改善してきた方も「当たり前」ではないのです。

そういった謙虚な気持ちや感謝の気持ちがおろそかになっていないかが、とても大切なように思います。


今置かれている環境に慣れてしまうと、ついつい甘えや気の緩みが出てしまいます。

ですが、その環境がなくなってしまった時にその大切さに気付くのです。

わが子の出来事から、今ある日常は決して当たり前ではなく、感謝に満ちあふれているものだと教わりました。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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