今年も、花粉症が飛び始める季節になりました。
毎年花粉症に悩まされている方には、つらい季節かと思います。
かといって、耳鼻科は混雑しているので、あまり行きたくない。
そんな方に、市販薬で花粉症に対応できる漢方薬をいくつかご紹介しようかと思います。
花粉症になぜ漢方薬が良いのか?
現在では、花粉症のお薬がたくさん販売されています。
花粉症薬の中には、病院で処方されるのと同等の成分を配合したものもあります。
これをスイッチOTCと呼び、うまく活用すれば花粉症の症状を抑えることができます。
もうすでに、ご自身に合っている薬を把握している場合は病院で処方してもらわなくても、ドラッグストアで購入することもできます。
・アレグラ
・アレジオン
・タリオン
・クラリチン
など
しかし、これらの花粉症薬を用いても、十分な効果が得られない場合や眠気などの副作用が生じてしまう方もいるかもしれません。
そのような方に漢方薬がおすすめです。
・眠気が生じにくい(むしろ覚醒作用があるものがある)
・症状や体質に合わせて、漢方薬を選ぶことができる
・即効性がある
漢方薬は症状だけでなく、体質に合わせて処方を決めます。
そのため、適切な漢方薬を服用すれば1回服用するだけで、効果を実感できます。
もし、漢方薬を試してみたいと思った方は、この後ご紹介する漢方薬をご参考にしてください。
症状・体質別のおすすめ漢方薬
花粉症といっても、「鼻水がつらい方」、「目が痒い方」、「鼻づまりの方」など、人によって現れる症状がまちまちです。ですので、ご自身の症状と体質に合わせた漢方薬を選ばないと、漢方薬といえど効果がないどころか思わぬ副作用が生じてしまうこともあります。
ぜひ、今回のコラムを参考にご自身にあった漢方薬を選びましょう。
*複数の症状があり、一度に2種類の漢方薬を服用したい場合は、薬剤師の方に相談してからにしましょう。飲み合わせがよくないものがあります。
鼻水ダラダラの方向けにおすすめの漢方薬
花粉症で最も多いのが、とめどなくダラダラと鼻水がたれてくることかと思います。
漢方では、サラサラの鼻水が出てくるのは、「寒飲(カンイン)」によるものと考えます。
寒飲は「寒+飲」で分けて考えます。
寒:身体が冷えている状態のこと。
飲:身体に水がたまっている状態のこと。
サラサラの鼻水が大量に出る人は、身体が冷えて、冷えた水分が身体にたまっているからだと考えます。
そのため、漢方薬では身体を温めて余分な水分を排出する処方を用います。
小青竜湯(ショウセイリュウトウ)
ダラダラ鼻水の第一選択になります。迷ったらまず小青竜湯を選択しましょう。
麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)
冷えが強く、虚弱体質の方、高齢者にはこの処方がおすすめです。
苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)
小青竜湯や麻黄附子細辛湯を服用すると、胃もたれや下痢をしてしまう方に用います。
小青竜湯や麻黄附子細辛湯に含まれる麻黄(マオウ)という生薬が、胃もたれや下痢の原因になる場合があります。
また、麻黄は緑内障・前立腺肥大・心臓病をお持ちの方には使用できません。
*苓甘姜味辛夏仁湯は、市販薬にはあまりないのが欠点です。
目の充血・目の痒みがつらい方向けのおすすめ漢方薬
目の充血や痒みは炎症、漢方では「熱」によるものと考えます。
花粉によって生じた炎症(熱)を抑える漢方薬を用います。
越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)
目や鼻の炎症を取り除いてくれます。また、鼻の炎症も除くため、ドロドロの黄色鼻水にも効果的です。
十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
元来は皮膚の痒みに用いる処方ですが、目の炎症にも用いることができます。
化膿を改善する作用があるため、目やにが多かったり、ものもらいがある人にも効果的です。
鼻づまりがつらい方向けのおすすめ漢方薬
鼻づまりには、鼻の通りを改善する漢方薬がオススメです。
葛根湯に鼻の炎症をとり、鼻の通りを改善する辛夷(シンイ)と川芎(センキュウ)が配合された処方です。
葛根湯は風邪症状だけでなく、花粉症(鼻水・目の痒み・くしゃみ)にも効果的です。
まとめ
花粉症といっても、人によって現れる症状は異なっています。
上記あげた処方はほんの一部です。
もし、上記の処方を試しても症状が改善されない方、もっと詳細に自分にあった漢方薬を知りたいと思う方は、一度専門の漢方医療機関にご相談くださいませ。
花粉症の漢方薬治療についてもっと知りたい方は、こちらをご参照ください。
花粉症・アレルギー性鼻炎の漢方薬治療
コメント