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雑記

当帰芍薬散は体力虚弱な人、桂枝茯苓丸は比較的体力がある人?

先日、初めての方から以下の問い合わせがありました。

「病院では当帰芍薬散を処方されたのですが、納得がいかず漢方薬局(当店ではないところ)に行ったところ、桂枝茯苓丸が出されました。インターネットで調べたところ、当帰芍薬散は体力虚弱な人、桂枝茯苓丸は比較的体力がある人と書かれていたのですが、私はそこまで体力がある方ではないのですが、桂枝茯苓丸を服用しても良いのでしょうか」

今はなんでもインターネットで調べられる時代なので、このような記載があれば不安になってしまうのも当然かと思います。
おそらく私も漢方薬業に携わっていなかったら、同様な疑問が生じてしまうかもしれません。

結論から言うと、今回のケースで言うと桂枝茯苓丸は体力虚弱でも必要であれば用います。

体力の有無で処方を分ける考え方は、おそらく日本漢方(昭和時代の漢方)の名残かと思います。
確かに体力の有無は処方選択の一つにはなりますが、それはあくまでも一つの側面でしかありません。

大事なのは

「 体の強弱 × 病邪の強弱 」

を組み合わせて考えることです。
病邪とは病気を引き起こす原因となるもの(細菌・ウイルス・血流障害・水分代謝不良など)です。

これらを組み合わせて、初めて処方が選定されます。
どうしても商品化する場合や簡易的に説明する場合には、十分な説明がなされないこともあるのかもしれません。

ぜひ、漢方薬のことでお困りの場合は、専門の漢方薬局にご相談してみてください。

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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