TREATMENT

疾患別治療

気象病

気象病という大きなくくりでの治療について説明します。気象病というのは、雨などの天候不良により身体に様々な症状が生じる病気の総称のことです。原因としては、気候変動に伴う「気圧」や「湿度」によって、内耳が過剰に反応して脳に情報伝達してしまうからです。症状は人によって様々に現れ、「頭痛」・「めまい」・「関節痛」・「喘息」・「情緒不安定」・「むくみ」などが生じます。

気象病が生じやすい人というのは
・車酔いしやすい人
・以前に膝や腰を痛めた人
・偏頭痛やめまいをすでにもっている人
・新幹線や飛行機などが苦手な人
・姿勢が悪い人
などです。もともと体調が天候に左右されやすい体質の方もいますが、年齢が上がったり、出産などで体質が変わって発症する場合も有ります。ですので、最近調子が悪いと感じたのであれば、早めに治療をするのがオススメです。

漢方治療

気象病には様々な病態があるので、個々の症状に対して治療を施していく必要がありますが、理論上は同じ病態と言えます。天候の悪化というのは「気圧の低下」+「湿度の上昇」が起こります。漢方には「天人合一」という考えがあり、「自然界で生じていることは、同じことが体の中でも起こる」とされています。どういうことかというと、外が暑くて乾燥していれば、体の中にも熱がこもり、体が乾燥してきます。反対に外が寒ければ体も冷えてくる。至極当たり前のことですね。そうすると、天候悪化が生じるとどうなるかというと、湿度の上昇に伴い体の中から余分な水が張り出してきます。さらに低気圧の特徴として、気圧が下がることで上昇気流が生じます。同様に体の中で「気の乱れ」が生じます。これらにより、体内の自律神経が乱れて気象病が発生してしまいます。従って、漢方治療では体の水分代謝異常をコントロールしながら、治療を進めていかないといけません。

*気象病の病態は多岐にわたるので、ここでは一部だけ取り上げます

苓桂朮甘湯
水分代謝を改善しながら、陽気の巡りを是正する漢方薬(茯苓・朮・桂皮・甘草)。起立性障害などにも使われることが多く、比較的体が細く、低血圧傾向の人に用いる。気象病の場合は頭痛やめまいなど、頭部近辺の症状に応用することが多い。このまま用いる場合もあるが、他の生薬を加味して用いることもある。

茯苓沢瀉湯
苓桂朮甘湯に沢瀉と生姜を足した処方である。本来は『金匱要略』にあるように「胃反」という胃腸症状に用いるのであるが、茯苓沢瀉湯には「沢瀉湯」という処方が内包されており、めまいにも応用されることがある。

半夏白朮天麻湯
胃腸虚弱で回転性のめまいや嘔吐、頭痛がある場合に用いる。胃腸の働きを改善しながら、体に余分な水を取り除く。さらに回転する程激しいめまいも鎮める薬物も内包されている。

釣藤散
こちらもめまいに用いることが多いが、熱がこもってのぼせ傾向にある人に用いる。わりかし高齢の方で体力が衰えてきた方の頭痛やめまいに応用されることが多い。

桂枝附子湯
気象病の関節痛に用いる。桂皮・生姜・甘草・大棗・附子を配合しており、体を温めながら痛みを取り除いていく。状態に合わせて処方を加減して、甘草附子湯や桂枝加朮附湯なども用いる。

疎経活血湯
こちらも関節痛に用いる。外から入ってくる湿気を追い出しながら、血流を改善して痛みや痺れを改善する処方。生薬の薬味が多く、やや飲みづらい処方である。

麻杏薏甘湯
むくみや関節痛、喘息を伴う気象病に用いる処方です。麻黄・杏仁・薏苡仁・甘草を内包しており、気管支を拡張して、呼吸の通りを確保し、合わせて全身の水分代謝を改善してむくみや関節痛を和らげます。

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