TREATMENT

疾患別治療

更年期障害

更年期とは閉経前後を含む10年間のことを言います。この時期に生じる様々な身体症状及び精神症状のことを更年期症状と呼びます。更年期症状のうち生活に支障を及ぼす状態を「更年期障害」と呼び、更年期症状でお悩みの方の2割の方が該当すると言われています。西洋医学の治療では、ホルモン補充療法により低下した女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)を補います。女性ホルモンの補充により、更年期障害特有のホットフラッシュや発汗、のぼせなどの症状を改善することができます。さらに、女性ホルモン低下による骨密度の低下や動脈硬化の予防、皮膚や膣の潤いなど全身症状も緩和することが可能です。直接女性ホルモンを補充できることから、適応となる場合は効果の実感も早く効果的な治療と言えます。しかし、ホルモン補充療法は全ての人に適応するわけではなく、乳がんや子宮体癌のリスクや心臓疾患のリスクもあるので、注意が必要です。さらに、閉経前の更年期障害では適応とならないこともあるので、使用に関しては注意が必要となります。一方の漢方薬治療は西洋医学では対応できないケースにも治療が可能となります。漢方薬は西洋薬のように直接ホルモンを増やす働きはありません。そのため、体に大きな影響を与えない分、体にあった漢方薬を服用すれば、効果的に症状を緩和することができます。ホルモン補充療法が適応でない方や治療効果が実感できない場合、漢方薬をご利用ください。

漢方治療

漢方薬の得意分野である「不定愁訴」は、まさに多岐にわたる更年期障害の症状に適応となります。漢方にはホルモンという概念がありません。「気・血・水」の異常が体に影響を及ぼすと考えます。とりわけ更年期障害では「気・血」の異常によると考えられます。生理の終焉は体の血の不足を意味し、血の不足が自律神経をコントロールする気の巡りに影響を与えると考えます。これに加えて個々人の体質を掛け合わせて、処方を決定します。

加味逍遥散
更年期障害ではファーストチョイスになり易い処方です。ホットフラッシュやのぼせ、イライラや不眠など身体症状と精神症状の両方に効果があります。さらに生理の安定作用もあるので、閉経前〜閉経後にかけて幅広く使用できます。

桂枝茯苓丸
血行不良(瘀血)に用いる処方です。血行不良による冷えのぼせや血流停滞による月経痛やレバー状の塊の経血などの所見を兼ね備えた病態に適応となります。

温清飲
血熱と呼ばれる熱症状に用います。熱が加わると血に勢いがつきます。これにより不正出血が出たり、のぼせやホットフラッシュがある場合に有効です。
*不正出血が強く継続する場合は産婦人科で診てもらってください。子宮の病気の可能性もあります。

柴胡桂枝乾姜湯
虚証の更年期障害に有効です。精神症状や熱症状を伴いますが、身体の虚弱感があります。

甘麦大棗湯
精神症状に効果的です。突発的にくる精神不安やヒステリー症状などに効果的です。

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婦人病