TREATMENT

疾患別治療

乳腺炎

たまに電話で

「ゴボウシの取り扱いはありますか?」

と問い合わせがあります。

この問い合わせがきたら、ほぼ100%

「あー、乳腺炎ですね?」

と判を押したように応対します。

最初の頃はなんで?と思ったのですが、どうやら助産師さんに教えてもらっているようです。

確かに民間療法として、

「乳腺炎治療に牛蒡子」というはありますが、

それでは漢方的ではないですし、本当に効いているのか不思議です。

かといって、乳腺炎の治療で当店を利用される方が少ないので、、、以前にブログで「母乳を増やす漢方薬、母乳を止める漢方薬について調べてみた」を書いたので、その流れで乳腺炎の漢方治療についてまとめてみました。

まずは西洋医学ではどのような治療をするのかサラッと書いておきます。

西洋医学の乳腺炎治療

 

化膿性乳腺炎の場合は膿を取り出して細菌を同定し、それに合わせた、抗生剤治療を行います。膿が溜まってしまっている場合は、皮膚を切開して、膿を取り出す治療を行います。

では漢方治療ではどうするのか?

以下にまとめました。

漢方薬の乳腺治療

 

漢方では乳腺炎のことを乳癰(急性化膿性乳腺炎)や内吹(産後に発する乳腺炎)などと呼びます。

漢方治療では乳腺炎だからといって、特別な治療を施すわけではなく、あくまでも癰といった化膿性疾患の延長線上として、病態を捉えます。

従って外癰(肌にできた化膿性疾患)としての治療法をご紹介します。

葛根湯(かっこんとう)

乳腺炎の初発に用いる処方、悪寒や頭痛、発熱、うなじ〜背中にかけての強張りが選択のポイントになります。また、症状に合わせて桔梗、石膏、薏苡仁などを加えることもあります。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

毒を敗るとあるように化膿を毒と捉えて、膿を体表から追い出す処方です。こちらも初期に用いられ、葛根湯のような明確な寒気や発熱が見られない場合に用います。

荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)

十味敗毒湯の元になった処方になります。十味敗毒湯と大きな差はなく、初期の化膿性疾患に用います。

排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)

膿を追い出すための処方になります。こちらは初期の体表面での病態から内部に進行してきたときに用います。単独で用いることもありますが、他の処方と合わせて用いることもあります。

小柴胡湯(しょうさいことう)

慢性化した乳腺炎で、胸部にしこりがある時に用います。小柴胡湯は胸部の詰まりを取り除く作用があります。化膿の状態に合わせて処方を加減します。

*胸部のしこりは乳がんの恐れもあるので、一度検査してもらうことをお勧めします。

千金内托散(せんきんないたくさん)

炎症は治まり、膿が出来上がっているが、なかなか排出されないような時期に用いる処方。膿を外に追い出す力を強める働きがあります。

托裏消毒飲(たくりしょうどくいん)

消毒と排膿を兼ね備えた処方です。化膿性炎症の初発で炎症部位が限局せずに盛んな時は、荊防敗毒散や十味敗毒湯を用いますが、患部がはっきりとし、化膿し始めたときに用います。

帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)

化膿性疾患で排膿するもいつまでも治らずに、だらだらと慢性化してしまった状態に適応する。排膿しきるほどの体力が衰えているものに有効です。この場合の膿は希薄な場合が多いです。

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