TREATMENT

疾患別治療

下痢

下痢は一時的な場合と慢性的な場合があります。一時的な場合は食中毒のような細菌性のものや食べすぎた場合、冷えてしまった場合などが該当して、病院で抗生剤を処方してもらったり、お腹を温めたりすることで対処する場合が多い。そのため、漢方薬を使ってみようとはなかなかならないかと思います。しかし、慢性的に下痢を繰り返している場合は、日常生活にも支障をきたしてしまい、QOL(生活の質)が低下してしまうこともあるでしょう。病院やドラッグストアで整腸剤や胃腸のリズムを整えることで、調子が安定すれば良いが、なかなか改善しない場合もあったり、薬の服用をやめると元に戻ってしまうケースもありえます。そうなると根本的な体質改善を行う必要があります。そのような意味で、漢方薬は大いに力を発揮すると言えます。西洋医学では発見できない、漢方ならではの視点で病態を見ることで、治療へと導けるケースは少なくはありません。

漢方治療

下痢にも様々なタイプがあり、自身がどのようなタイプの下痢なのかを弁別するのが、治療への手がかりになる。ここでは、その一例をご紹介します。

人参湯
胃腸冷え型の下痢に用います。体質的に胃腸が弱くて冷えた場合に効果的で軟便〜水様の便となる場合に用いる。人参・朮・乾姜・甘草を内包しており、甘草乾姜湯(甘草+乾姜)をメインにして、胃腸周辺を温めることで、胃腸の動きを正常化します。体の冷えや下痢の程度によって附子を加味した附子人参湯を用いる場合もある。

真武湯
人参湯同様に体の冷えに伴う下痢に用いる。附子・茯苓・朮・生姜・芍薬を内包して、人参湯に比べて、体力の低下は著しく水様の便になりやすく、さらに水分代謝が衰えて、むくみやめまいなどの症状を併発する場合に有効となる。

四逆湯
人参湯、真武湯より体が弱って冷えが強い人の下痢である。下痢は水様〜消化不良で食べたものがそのまま出てきてしまうほど、胃腸が機能していない様な下痢をする。下痢の急性期に用いる。下痢が治ったら、体力をつけるべく他の処方に転封する場合もある。

桂枝加芍薬湯・小建中湯
身体が虚弱な児童で食が細く、下痢や便秘を繰り返したり、腹痛を強く訴える様な場合に用いる。服用を継続することで、体質を強化して、下痢を起こしにくく腹力をつけていく働きがある。

柴胡桂枝湯
ストレス性の下痢や腹痛、胃痛、吐き気などに用いる。最近の研究で脳と腸は神経が密に繋がっていて、互いに連携しあっていることがわかってきた。精神的な影響が腸に与える影響は大きく、胃腸症状が出る場合にはこの処方を用いる。柴胡・桂枝・芍薬・黄芩・半夏・生姜・人参・甘草・大棗を内包しているが、腹痛が強い時は黄芩を抜いて、芍薬を増量するなどの工夫が必要である。

平胃散・加味平胃散
食べ過ぎてしまった場合の下痢に用いる。加味平胃散では消化剤も含まれており、一時的に用いることが多い。

参苓白朮散
普段から胃腸が弱く、下痢をしやすい人に用いる処方である。人参・朮・茯苓・甘草・縮砂・扁豆・山薬・蓮肉・薏苡仁を内包して、胃腸の働きを強化しながら、胃腸に溜まった余分な水を吸収して、小便に流してくれる。

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胃腸疾患