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症例紹介

症例7 ズシンとした重い胃もたれ、機能性ディスペプシアに香砂六君子湯

・毎日美味しくご飯を食べること

・空腹時に食べる大好きな料理

・胃腸スッキリで気分爽快

胃に不安を感じている人は

これらの感覚を取り戻したいハズです。

どうやって改善すれば良いのか?

その前に胃の状態が悪いとどんなことが起きてしまうのかを

解説します。

漢方の考えでは胃は「胃気(いき)」という、

とても大切な活動をしています。

「胃気」とは胃の活動のことで、食べたものを消化して、

不要なものを排泄し、必要な栄養をエネルギーや骨格などの

体を構成するパーツを作りだす手助けをする働きのことを言います。

反対に、胃気が低下すると消化吸収が鈍ってしまい、

必要な栄養素が手に入らずに、

疲れやすくなったり、気分が塞ぎ込んだり、

肌や髪、爪などがパサついてきたりします。

タイトルにある胃もたれや機能性ディスペプシアが生じてしまうと、

単に胃の不快感だけでなく、全身にまで影響が及ぶ可能性が出てきます。

*機能性ディスペプシア:胃の不快感があるが、病院で検査をしても異常が見つからない病気

では、具体的な漢方治療について述べたいと思います。

胃もたれや機能性ディスペプシアを起こす原因としては

先に述べた「胃の動き」が低下なのですが、

さらに突っ込んでなぜ胃の動きが低下したのかを漢方では大切にします。

・胃が弱って働きが鈍くなる

・ストレスを感じて胃の動きが鈍くなってしまう

大きく分けると上の2つです。

胃が弱ってしまう原因をさらに深掘りすると、

無理がたたったり、もともと虚弱体質で胃腸が弱かったり、

冷えてしまうなどの原因が考えられます。

ストレスの影響ですが、胃腸の動きは自律神経と呼ばれる、

自分の意思では動かすことのできない働きによって、

随時消化活動を行なっています。

この自律神経というのは、ストレスの栄養を受け易く

胃腸の働きが上下してしまいます。

まとめると

・胃の弱り(疲労、虚弱体質、冷えなど)

・ストレスの影響(自律神経の乱れ)

あと単に食べ過ぎという場合は一過性ですので、

ここでは排除します。

これらを分類して、

あとはそれに合わせた漢方治療を施していきます。

具体的な症例を一つご案内します。

皆さんもどのタイプの胃もたれか考えてみてくださいね。


50代 女性 胃部不快感

1週間前から空腹時に胃がチクチク痛む。

もともと食が細い方ではあるが、さらに食欲が落ちてしまう。

お腹の張りとゲップ、ガスが出て、食べたあとはグッタリと疲れてしまう。

胃もズシンと重だるく食事の量もあまりとれない。

更年期症状もあり、不安でいっぱいである。

このような状況でした。

先の胃もたれの分類から考えると、

胃の弱りがまずありますね。

さらに、胃の不調のみならず更年期症状も気になり、

不安感が増しています。

この不安も胃腸の動きを悪くする要因となります。

従って、胃腸の働きをよくするのをメインにしつつ、

ストレスを和らげることで、胃への負担を軽減する必要があります。

用いた処方は

香砂六君子湯(コウシャリックンシトウ)

です。

1週間の服用で、

食欲が増して、食後のだるさも軽減されました。

さらに不安感も改善されて、睡眠の質も向上しました。

現在も量を減らしながら服用しています(5ヶ月)。

胃は人がいきていくの必要な要です。

胃腸がスッキリするだけでなく、

気分も晴れ晴れして、

毎日の意欲も増します。

どうにもこうにも治らない場合は

一度お近くの漢方薬局に相談してみてください。

今井 啓太

今井 啓太

薬剤師。1984年生まれ。名古屋市立大学、大学院を出た後、大手医薬品卸会社に入社。営業所の管理薬剤師として、西洋医学を中心に知識を深める。その後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局 博済に勤務。福島毅先生より、中医学理論及び漢方の臨床について学ぶ。その後、漢方コラージュの戸田一成先生より漢方経方理論を学び、実践への礎を築く。2016年、三鷹にて漢方薬局 Basic Spaceを開局。

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